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サンキュー・スモーキングのkotaのネタバレレビュー・内容・結末

サンキュー・スモーキング(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

コレは面白かった!
全編皮肉に満ち満ちているのだけれど、高飛車な皮肉じゃなく、笑いもキッチリ。

タバコ業界のロビイストが主人公。
天才的な手腕で人々を煙にまいていきます。

彼だってタバコは有害だという事は分かりきっているのです。
もちろん業界人たちだって分かっているのです。
しかしそこはビジネス。
別れた妻、その夫、妻に引き取られた息子も絡みながら、業界の内情と建前、ヒステリックにタバコの有毒性を叫ぶ社会との対決が、ディベートという形で描かれていきます。

このタイトルにしてきっちりタバコの有害性を認め、登場人物の喫煙シーンが出てこないという皮肉。
そして主人公にあっさりやり込められる、滑稽ですらある嫌煙家たち。
この映画の意図はタバコ擁護でも、否定でもないのです。
ニュートラルな立場で、「選ぶのはあなただ」と言っています。
ヒステリックにやり合う世の中に、「まあ、そうキィキィせずに、ちょっと落ち着きなさいよ」と言っています。

ディベートシーンは観ていて飽きないし、テンポもいい。
親子の話も不自然じゃなく編み込まれ、ドラマとしてもちゃんと観られる。
個人的には、とてもバランス感覚に優れた作品だと思いました。
面白かった。
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