タバコ業界のロビイストである主人公が昨今の嫌煙ブームの中、持ち前の話術を使い、タバコの劣勢を覆そうとするブラックコメディ。
タバコが主題の映画ながらも、劇中では誰一人喫煙するシーンがありません。本作と近いテーマの「インサイダー」もそうですが、この手の映画は敢えて喫煙シーンを使わずとも、主題を明確にしながらのストーリー展開が巧い。
物語が進むにつれて、この映画の本質が見えてくるのも面白い。タバコに目が行きがちですが、それを通じて個人の選択の重要性。
どんな立場に追い込まれても、切り抜けるのは最終的には自分自身。主人公ほどの話術があればの話ですが。笑
そして親子の絆もキッチリ描いているのもプラスポイント。
キャストも主人公ならこの人が最適と思えるアーロン・エッカートの堂々たる演技に加え、他にも豪華なキャストが顔を揃えます。
1時間半ほどの短い映画ですが、いくらでも見所のある作品だと思います。喫煙者、非喫煙者関係なく、タバコに関する考えは取っ払って、純粋に登場人物たちの絶妙な会話劇を楽しむのが、この作品の醍醐味でしょう。
