映像は綺麗で、そこに写っている人たちもなんとなく儚げで美しい。でも感情はぐちゃぐちゃでめちゃくちゃ、まさに汚い。
顔が瓜二つな人を好きになる。好きになられてしまう。間違いなく二人とも運命の人だった。
麦（バク）のtheミステリアスでふらふらふわふわ感は、魅力的なんだろうな。焦点のあってないような雰囲気、気持ちがどこにあるのかわからない話し方、どこかに飛んでいってしまうような不安さ。朝子にとって出会ってはいけない運命の人がバクだったんだろうな。
亮平は基本非がない。だからちょっと怖かった。味方にいる分には心強く安心感もあるけど、間違え方を誤るとすぐ切られてしまう気がする。でも、きっとこういう人が良いよな。
なんだかんだ朝子を気にかけて、振り回されそう…
朝子は不思議な人だったな。でも共感が0ではなかった。何度か恋愛をした人なら、その気持ちわからなくもないって場面があるのでは。ちょっと危険な匂いがある人、周りからやめときなって言われる人に強烈に惹かれるのとか、めちゃくちゃわかる。
朝子自身もふわっとしてるから、捕まえられそうなのに、なかなか捕まえられない綿毛みたいな魅力を持っていた。
芯もあるからこそ、朝子がバクの存在を知った時の亮平は気が気じゃなかったんじゃないかと思う。
朝子に頼れる大人が居て、その人たちがまた安心感があり、優しく包んでくれて良かった。
正直、あの件が頭を何度も何度も何度も何度もよぎってしまった。真っ直ぐに映画を観ることができなかった。特に亮平に対して。それだけが本当に残念だと思う。
