内容の大半はどちらかと言うと様々な人間関係を描いている印象で、ミステリー特有の推理や捜査に関しては色濃い印象はない。ただ、信じたり裏切られたり、真実を追い求めるうちに虚像を掴んでしまったりと、暗い部分が多い作品。ラストも後味悪く、スッキリとは終わらない。物語としてだけ見るとあのラストでもまとまりが良いかもしれないが、捜査をする中で見えてきた暗い人間関係に目を向けると、疑われた様々な容疑者とその周囲の人物、主人公達は今後どうなるのだろうと考え込んでしまう。
姉妹の死の真相、殺害動機など靄にかかったままの部分は見る者に想像させるような作りになっている。正解を提示したスッキリ見ることが出来るミステリーが好きな人にはあまりオススメできないかもしれないが、考察好きの人には想像を掻き立てる良作になるかもしれない。
