塩犬

大怪獣のあとしまつの塩犬のレビュー・感想・評価

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
1.5
死んだ怪獣、どう片付ける?

実力派、ベテラン勢揃いで行う怪獣死体処理の大茶番劇。
シン・ゴジラを観てこちらを見ようと思ったあなた、別物です、ガッカリすること間違いなし!別物として鑑賞する分には、オマージュだったりアドリブか?というような掛け合いや、カメラワークの舞台観を味わえて面白みのある作品。
開始早々、シリアスか?と思わせておきながら、不意に発する役者の台詞に「ん?」となる。そこから畳み掛けるようなチープさを見せられ続ける。
なるほど、これはやってる側は楽しそうだ。しかし、シン・ゴジラなどのシリアス展開を予想していた側としては置いてけぼりである。予告詐欺だと言われても仕方がないだろう。シン・ゴジラというよりも、ガキ使の方がニュアンスとしては似ている。笑ってしまったらケツバットだ。
謎の掛け合いや、くだらない言い回しの応酬、挙句の果てには下ネタのオンパレード。苦手な方はお金を出してまで見るものでもない。冷笑待ったナシだ。
そのくだらなさを全力疾走で演じ続ける役者たちの力量はさすがと言ったところ。シリアスパートとギャグパートのメリハリなど、西田敏行を中心としたベテラン勢の力量があってこそ魅せることが出来るだろう。
今作の男前ナンバーワンはオダギリジョーか。シリアスを期待して見に行った私としては、シリアス線を演じ続けたオダギリジョーと濱田岳が見ていて1番落ち着いた。
どことなく、主人公たちの年齢がハッキリとしない感は見ていて落ち着かなかった。学生なのか、社会人なのか、それとも両方か。役者の年齢層もあるが、若く見えるのが特徴的な俳優陣であったことも含めて感覚は掴み難い。それに引替え、ベテラン勢の貫禄がより歳の差を気にさせた。
一貫して主軸のみに特化して描こうとすれば、3分程度で話は終わりそうだ。それをくだらなさ目一杯に詰め込み、この時間となったか。「くどい」と思う作品は久しぶりだ。
ラストシーンは主軸のみに特化した終わりとしては伏線も回収出来、納得だが、それならばもっと早く話が進められたであろう感は抜けず。
次作もありそうだが、どうなる事か。今作で序、次作が主題となれば、期待はできるか?しかし、次作への期待値は低く、特に先が気になる展開でもないため、次作はレンタルを待とうと思う。
点数は期待していた雰囲気ではなかった私個人的には甘く見積ってこの程度。ギャグ作品として見ればもう少し高くても2、3点。舞台音楽、役者陣のメリハリ、物語の主軸を走った濱田岳の演技を評価したい。
塩犬

塩犬