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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のMissYのレビュー・感想・評価

4.0
書いている今は6月10日。
この映画を見たのは先月だったんだけど、ちょっと胸がいっぱいになってしまい、どう感想を書けばよいのやらと思っていたところに日本で目黒区の女の子の痛ましい事件があり、その後、昨日「万引き家族」見てまたもやウワーッてなって、ちょっと気持ちの整理で感想書き留めることにした。

フロリダ州のディズニーワールドのそばにある実在する寂れたモーテルで撮影されたらしい、この映画。タイトルの意味は、私は昨日、他の方のレビュー読んでいて今更知ったのですが。教えていただいた情報元からコピーしますと。

本作の題名となっている「フロリダ・プロジェクト」とは、60年代より始まった、ウォルト・ディズニーによるフロリダでのテーマパーク開発計画を指すことばだ。また一方で「プロジェクト」とは、低所得者のための公営住宅をも意味する。

とのこと。それを踏まえて、色々なことが「あー!」って合点がいった。要は開発計画は破綻して、ディズニーワールドは栄えているけど周囲のモーテル街はさびれて、定住する家を持てない低所得者が住み着いているってことよね。
主人公のシングルマザーは倫理的には褒められる母親ではないけど子供への愛情はとても強い。子供は子供同士でイタズラばかりして楽しんでいる。でも大人がもうすぐ泣く瞬間が分かったりとか、ちょっと痛々しい繊細さも持ち合わせている。モーテルの管理人演じたウィレム・デフォーがとにかく好演!この管理人が、まぁ〜、なんやかんや言いながらも厳しくも子供達を見守っているからこそ、ギリギリ成り立っている感じの生活なんだけど、そんな暮らしはやっぱりいつか破綻してしまう。
こんな過剰にお節介やきな人の善意に甘えて成り立つ生活じゃなくて、やっぱり弱者も安心して生活できる社会というのが幸せなんだと思うけど、じゃあ自分に何が出来るのか?っていうと途方にくれるよね。出来る範囲で人に優しくするってことくらいなのかな。
ディズニーワールドのそばなのに最後までディズニーワールド出てこないのかなーと思っていたら最後に思わぬ形で!あのラストが余計だとか甘ちゃんだとかいう感想もあるようだけど、私はあのラストで涙腺崩壊した。
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