みあせぶ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のみあせぶのレビュー・感想・評価

3.6
マジカルエンド

タイトルとパッケージとは全く違った内容でした。軽い感じで観れる映画と思いきや…内容は深く、アメリカの実態を生々しくもしっかりと描いた作品でした。

日本は治安もいいのでこういった貧困層の話はあまり身近な問題ではないのかもしれませんが、世界的に見ればとても大きな問題です。

身近でないからこそ、共感できる部分が少なかったのかもしれません。
そしてタイトルから想像するにファンタジー要素が3割ぐらいあるのかなと思いきや、最後の「マジカルエンド」の部分だけだったので全体的には暗いですね。

子供ちゃんたちが可愛いんですが、ずっと観てるとこんな隣人は嫌だ。これがアメリカの実態なんだと思うとなんだか悲しいですね。十分な環境下に置かれていないと、純粋な子供の心まで蝕まれてしまう。
こういった子供の頃の環境やトラウマというのは大人になってもつよく残り、人生に多大なる影響を及ぼすと言うのもよく聞くので、あの子供ちゃんたちの将来も心配です。

ほとんどが子供目線だということもこの映画のひとつの特長で、みなさんも指摘している通り、お風呂のシーンはとくに印象的でしたね。
子供目線では至って普通の日常、ささやかな楽しいひと時かもしれませんが…
音でしか分かりませんが、伏線からして母親が何をしているのかは明らかです。
非常に悲しい現実。

なんだか最後の「マジカルエンド」に救われた感が非常に強かったです。
これは賛否両論ありそうですね。

私的には、すこし展開が遅かったようにも感じます。

パッケージから判断するのではなく、ドキュメンタリー映画として観れば非常に深い作品として観ることができそうです。
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