カーペットがある限り

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のカーペットがある限りのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

あの「タンジェリン」の監督の次の作品でいきなりアカデミー賞候補となったら、見逃すわけないじゃない!?

セリフ、生活エリアの生々しさ、金の稼ぎ方、ドラッグや暴力との向き合い方…。どれを取っても、いかに貧しいシングルマザーの家庭に育つ子どもたちへのリサーチ、いや寄り添ったかが、痛いほど伝わってくる。

この映画に出てくるウィレム・デフォー演じる管理人が、微かな未来への希望。しかし、アメリカの貧民街では特に、こんな守護天使みたいな人はいないのが現実。

いくら叫んでも、周りがどう思うと生きるために自分勝手を止めない母子に、ただ、涙目で悲惨な現実を見つめるしかないウィレム・デフォーのまなざしは、アメリカの現実、日本の貧困家庭に対して何もできない一観客であるアタシに通じさせる演技だったわ。