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西遊記2~妖怪の逆襲~のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

西遊記2~妖怪の逆襲~(2017年製作の映画)
4.0
妖怪ハンターの三蔵法師(クリス・ウー)は、病を押して、孫悟空(ケニー・リン)、猪八戒(ヤン・イーウェイ)、沙悟浄(メンケ・バータル)とともに天竺に向け貧乏旅をしている。水を貰おうと山の中の豪邸に立ち寄った一行は、美しい女主人や女中たちに手厚くもてなされるが、彼女たちは人間を喰らう蜘蛛女だった。孫悟空の活躍で蜘蛛女を倒したものの、三蔵法師はその手荒いやり方を見咎める。あまりに理不尽で、三蔵法師を始末しようと企む孫悟空。しかし三蔵法師の如来神掌を前に、なす術はなかった。やがて一行は比丘国に到着。九宮真人(ヤオ・チェン)から国王のもとへ招かれると、国王は子供のように心のままに振る舞う人物だった。国王の不興を買った三蔵法師は孫悟空の力を頼るが、状況は益々悪化し、窮地に陥る。だが国王は、悟空の攻撃に正体を表した。国王に化けていたのは、紅亥児だった。悟空たちが紅亥児を倒し、本物の国王を救った。国王は三蔵に、国王に仕える姫の中で一番の姫・小善(リン・ユン)の舞いをお礼に見せる。三蔵は、小善の美しい舞いにかつて愛した妖怪ハンター段(スーチー)の面影を見て、一目惚れしてしまう。そのことが、三蔵一行に更なる災難を呼ぶ。
チャウ・シンチーが西遊記を映画化した「西遊記はじまりのはじまり」の続編。今回チャウ・シンチーは、プロデューサーと脚本に回り、ツイハークが監督している。
冒頭から、貧乏旅が原因で三蔵が始終咳をしていたり、旅の費用と生活のために悟空たちがサーカスで芸をしているがなかなか客にウケないので苦労しているというのが、チャウ・シンチーらしいひねりが効いているし、如来神掌(カンフーハッスル!)をマスターしていると嘘をついて悟空たちを従わせている三蔵や女好きな八戒など俗っぽいけど憎めないキャラクターの性質もチャウ・シンチーらしい。悟空たちが蜘蛛女たち妖怪と戦うバトルは、ファンタジーアクション映画に定評のあるツイハークらしいド派手で迫力満点で、特にクライマックスの悟空たちと幻術を使う九宮真人と炎の魔力を使う紅亥児のバトルは大波や菩薩まで飛び出す奇想天外なバトルで、面白い。
ただチャウ・シンチーが監督した前作のような笑いと泣かせるところのメリハリが、上手くいっていなかった感じ。三蔵と小善のラブは、切ない色彩が強くて、ツイハークらしい感じ。
牛魔王など強敵とのバトルをどう描くか、続編が楽しみなチャウ・シンチー版西遊記第2作。
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