30分毎に7日かけて見た
経営管理のチームが、予算調達や購入本の選定、利用者を増やす対策、今年力を入れる客層についての相談から、インターネットの低普及を補う機器の貸し出し、地域のホームレス対策に関わることまで、運営や行政との交渉だけでなく、一公的団体として地域の社会的問題の解決に携わることが前提として運営がされていて、『ボストン市庁舎』だけでなく、図書館でも民主主義が徹底されていることが凄いと思ったし、単純に羨ましい。
驚いたのが、聴覚や視覚、知的障害、その他の障害を持つ人のための専用の図書館があり、ここは特に日本と大きく違うなと思った。日本の図書館は、全く何らかのハンディキャップを持つ人に大しての配慮が欠けていると思う。点字図書館とかは聞いたことがあるけれど、普通の図書館にもそういう資料は充実させなければならないし、様々な障害に対処できる知識あるスタッフを常駐させるとかいうこともしなければならないだろう。それに、『ハンチバック』で書かれたように、物的な本を持てない人のための電子書籍の充実も検討しなければならない。KinoDenとかEBSCOとか仕組みをよく知らないけど、たぶん運営が図書館主体じゃないんだろうから、この両方に書籍を増やす要請をするのは簡単じゃないだろう。それならそれでもっと提携を密にして予算を両者に回して電子書籍の数を増やすとか、国がどっちか(かどっちも)買い取って図書館専用の電子書籍サイトを作るとか、なんとかしなければいけないと感じた。
市や政治家からの公的予算だけでなく、市民や民間団体などから民間の寄付を調達し、運営に必要な経費をなんとか増やそうと宣伝を積極的に行っているが、全くがめついとかいう印象はない。むしろこれが民主主義に根付いた図書館の姿であり、政府の資本節約と、市民への知の機会の提供との間でなんとか闘っている、という印象だった。これが全て市民の知の生活へ還元されるのだ、という安心感があった。