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戦争と平和のmhのレビュー・感想・評価

戦争と平和(1965年製作の映画)
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七時間超えのソビエト映画。
評価も高いマスターピースなので、基本情報、あらすじが充実している。
日本語字幕はないけれど、モスフィルムのユーチューブチャンネルに全編上がってる。
四部にわけてあってそれぞれチャームポイントが違っている。
1 長いのをここで済ますのうまい。
2 いよいよヒロイン登場して恋愛もの。
3 戦争もの。
4 戦争ものの続き。
見てれば楽しめるようになっているけど、説明不足は否めない。
原作を読んでいるか、もしくは、ググりながら見ないと、話の展開についていけない。おそらくだけど、原作を知っているものが、省略したものを把握しながら楽しむように作られているのかも。
この映画の最大のウリはなんといっても、
共産主義国家特有のマスゲーム的大規模撮影。
人間を湯水のように動員している。見渡す限りの戦闘シーンや、盛装の百組以上が同時に踊る舞踏会など、とんでもないシーンがいくつも見られる。
CGでこの密度は再現できない。つまり、もはや現実には出来しないであろう豪華絢爛な世界を、カメラが記録してくれている。
これを見るだけでも価値がある。話のほうはそんな面白くないので、古今の評論家たちがこぞって高得点つけているのも、この舞踏会と戦争シーンふくむ、撮影まわりのことなんだろうと思う。
個人的に楽しかったのは、
・メガネのおっさんが主人公かよと思ってたら監督自身だった。
・ソビエト中から探し出した、もとはバレリーナだったヒロインの可憐さがやばい。特に二部の。初々しさのなくなった三四部で、二部のシーンが引用されたときの威力たるやもうとんでもなかった。
・容姿に長けた極悪姉弟かっこよ。内面描写がまったくないのが逆によい。
舞踏会シーンから引用がある「提督の戦艦」や、この映画の続きともとれる「ワーテルロー」など、超大作だけあって、関連作がいっぱいなので、見といて良かった感もひとしお。
七時間かけて、監督とバレリーナが結ばれるまでを描いたのかぁと雑なまとめがいちばんあってんじゃいかなぁ。
個人3333本目ということで、選んだ一本でした。
面白かった!
mh

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