リプリー

ミスミソウのリプリーのレビュー・感想・評価

ミスミソウ(2017年製作の映画)
5.0
あまりにも虚しい暴力の連鎖。
しかし、それでしか感情を表現できない少年少女。隣に座っていた二人組の女の子が過激な暴力に手で顔を覆いながらもそこから滲み出る哀しさに鼻をすすっていた。この時点で本作が伝えようとしていることは100%成功していると言って良いと思う。
主演二人はもちろんだが、キャスティングが完璧。特に妙子演じる大谷凛香が素晴らしい。髪色含め一番フィクショナルな存在なのに、決して浮く事なく確かな実在感を放っている。
撮影も美しいし、アクションの撮り方もウマイ。最初の復讐シーンからガッツリ持っていかれた。他にも良いシーン、胸にくるセリフは沢山ある。
内藤監督の元にオファーが来たのはクランクインの1ヶ月前。他人による脚本としては初めての作品となるわけだが、これまで監督が撮ってきた作品とメッセージ性もブレておらず、数少ない書き足したシーンは紛れもなく“内藤印”が刻印されている(彼のファンならすぐに分かるはず(笑))。
原作と違う着地をみせるラスト。これには思わず涙してしまった。
間違いなく、“人にオススメしやすい”という意味においても作品としての出来も内藤監督の最高傑作ではないだろうか。

ホントに女の子同士のイチャイチャ好きなんだな、と。

4月14日 内藤監督&山田杏奈ちゃんの舞台挨拶付で2回目の鑑賞。