MasaichiYaguchi

OVER DRIVEのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

OVER DRIVE(2018年製作の映画)
3.7
「海猿」シリーズの羽住英一郎監督が東出昌大さんと新田真剣佑さんのW主演で描くのは、公道自動車レース「ラリー」に人生を賭けた兄弟の物語。
メカニック担当の兄・檜山篤洋を東出さんが、ドライバーの弟・檜山直純を新田さんが演じているのだが、兄弟共に夫々高い才能を持っているにも拘らず、メカニックとドライバーという立場違いでの衝突だけでなく、過去の因縁で2人の間には確執が横たわっている。
それは2人に関係する或る人物を巡るものなのだが、ストーリーが進展するに連れ、何故、兄弟の間に確執が生まれ、それが捻れて今日まで来ているのかが少しずつ紐解かれていく。
本作は、この兄弟の確執を巡るものを横軸に、エグゾーストノートと共にフルスロットルでパワフルにスリリングに展開するするラリーを縦軸に描いていく。
私が知っているラリーと言えば、ダカール・ラリーやラリー・モンテカルロ、アクロポリス・ラリーという海外開催のものばかりだが、映画で繰り広げられるラリーもこれらメジャーなものに引けを取らない迫力とスピードで、観ていて手に汗握ってしまう。
このラリーを通して描かれる兄弟を中心にしたチームの奮闘や絆が、如何にも「海猿」シリーズを手掛けた羽住監督らしい熱い展開で描かれる。
そして終盤で兄弟の確執が氷解し、彼らが或る「約束」を果たそうと決意してからは益々ドラマはヒートアップして、観ている我々も胸アツになってしまいます。