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ビール・ストリートの恋人たちのgnのレビュー・感想・評価

3.8
正義と悪ではなく、愛で物語る。2人の関係はもちろん、家族や弁護士の彼、家を貸してくれるあの人に関する愛のストーリーを語っていた。また愛の解釈の1つとして、あの信仰に囚われた(と思ってしまう)毒親が出てくるのも象徴的。

ビジュアルイメージの通り、特に2人のシーンはずっと美しい。秋らしい陽光射す道や夜の華やかな街も、電車内の喧騒も、2人の世界は何時でも何処でも美しい。部屋を選ぶところから街で笑い合うところには心が打たれた。衣装も素敵で、それが2人の文化的な豊かさを表していたのも良かった。単純にティッシュが可愛らしいんだよな

だからこそ、人種問題で彼らが振り回される様は本当に酷いし、観ていて辛い。しかも1人の警察官によって。あいつによって引き裂かれて、彼らの父親はバーで決意することになった。お母さんはプエルトリコに行って鏡の前で悩み、路地裏で悔しい思いをした。

でもこの映画は裁くことを目的にしている訳ではないと感じる。受難の人生だとしても、その人生は続き、紡がれていく。新たな命が彼らの元に訪れたことで、どんな環境だろうとこれからも幸せが訪れることを教えてくれる。そんなロマンチックな映画だった。
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