ビール・ストリートの恋人たちの作品情報・感想・評価・動画配信

ビール・ストリートの恋人たち2018年製作の映画)

If Beale Street Could Talk

上映日:2019年02月22日

製作国:

上映時間:119分

3.7

あらすじ

「ビール・ストリートの恋人たち」に投稿された感想・評価

プライム対象になったら見ようと思っていたのだけど、いつまで経ってもならないので有料レンタルで見ました。

監督はバリー・ジェンキンス。「ムーンライト」で脚光をあびた監督ですね。「ムーンライト」と同じように、今作のカメラワークと光に対する色彩が特徴的な作りになっていました。

序盤は二人の純愛というか、初々しい恋愛模様をとっても丁寧に描いていました。黒人メインの映画で、このような描写はやや珍しいのではないかと思いました。ここのシーンは音楽もジャズやブルースではなく、弦の室内楽のような曲が使われていて、ヨーロッパ的とも言えるし、日本の岩井俊二や、香港や台湾あたりの恋愛映画のような雰囲気を感じました。また、二人が惹かれあいすぎて、やや乱暴な事いうと「黒人の世界系みたいだな」という感想も抱きました。

主人公のティッシュ役のキキ・レインがとても綺麗でこりゃ惚れるよな〜と思ったり(肌の色は違うけど顔の作りが広瀬すずに似てると思ったのは私だけでしょうか)、レッジーナ・キング演じるお母さんもとても良い役どころでした。

表現の仕方が難しいですが、「ムーンライト」を見たときに黒人の黒い肌やその艶の美しさの表現が素晴らしいと感じました。また、このような美しさを初めて感じた映像だったとも感じました。その流れで見ると、今作もファニーとティッシュのベッドシーンや、その他のデートシーンなどとても綺麗なカットが多かったと思います。撮影もジェームズ・ラクストンという方で、「ムーンライト」と同じ方のようですね。

ジェームズ・ボールドウィンという黒人作家の70年代の小説を原作としています。彼は差別が酷いアメリカを離れてフランスで長く過ごした方だそうで、それだけに今作のテーマも黒人の生きづらさを重く描いています。テーマ性については、正直「ムーンライト」をはじめ最近のBLM以降に同じテーマの映画は乱発されている印象もありその中の一つといった感じ。

今作について特に筆しておきたいのは、やはり冒頭に挙げた世界系とも言えるような濃密な二人の描写と、その映像の美しさでしょう。
ちい

ちいの感想・評価

4.3
彼に愛する人、守りたい人がいて本当に良かったと思う。それが極論人生の全てだと私は思ってる。彼の友達もそうだったけど、地獄や絶望を知っていても、そんな顔を表に出さずに笑顔を見せられる人は本当に強い。どんな辛い局面に立ち会っても、ジョークや柔軟なものの見方で一緒に乗り越えられる存在がいるってほんとに素敵だなと二人を見てて思った。
勿論白人の良い人も登場するし、むしろ警官のような人は少数だと願いたいけど、なぜあんな事になるのか、そして今も起こっている事実。変わってない。生まれた家や人種が違うだけで、ただ生きてるだけでどうしてこんな差があるんだろうか。綺麗事を口にする気も起こらない、そんな資格がまるで無いから
この前のアカデミー賞のダニエルカルーヤのスピーチすごくパワーを感じたな、エンディングのゴスペルも良かったな
白人警官の意地悪そうな感じ…
でも
家族や仲間の絆は強かったりする
るみる

るみるの感想・評価

3.5
ジャケットからも伝わるように映像美がある作品。

人種差別、冤罪、家族愛、若い2人が育んでいる愛情など見応えはあるけど、なんだかしっくりこず…。
またまたとんでもない映画を作ってしまった。

前作同様、こだわり抜かれた色使いやドンと正面に構えるカメラ。見てる側は常に何かを訴えられ、色んな感情が入り乱れていく。

差別問題に自力で、神の力で、愛の力で、色んな手段を用いて前を向いて進もうとする者もいればどうしても乗り越えられない者もいて、出ている人物全員に思うものがある。

観終わって30分は何も言葉が見つからない。
たく

たくの感想・評価

3.8
黒人差別による冤罪によって引き裂かれる恋人同士を描いてて切なかった。二人のアップを中心に背景をソフトフォーカスにするどこか現実離れした映像とチェロの穏やかな合奏が、この非情な現実を乗り越えようとする二人の力強い愛の象徴のように思えた。

ティッシュがファニーとの出会いを回想しつつ現在を見せて行くという展開で、冒頭でファニーの母親の狂信的な発言をきっかけに言い争う両家がいきなりきつい。
開始40分くらいでやっと事のいきさつが明らかになって裁判に入っていくんだけど、本作は裁判劇ではなくて、愛し合う二人がいかに理不尽な黒人差別に引き裂かれるかという過程をプライベートな視点から照らし出してるのが印象的だった。

理不尽に投獄された黒人男性を恋人が妊娠出産を抱えながら救い出そうする話が、アカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた「Time」を思わせる。ティッシュの母親を演じたレジーナ・キングは本作出演後に「あの夜、マイアミで」を監督するんだね。本作が長編デビューとなるティッシュ役のキキ・レインが初々しくて魅力的だった。
邦題は甘い恋愛モノを思わせる響きで、たしかに二人の濃密な空間にフォーカスした本作はそう言えるかもしれないけど、原題”If Beale Street Could Talk”は現実には声を出せずに弾圧される無数の黒人がいるっていう強いメッセージが込められたタイトルだと思った。
Yuria

Yuriaの感想・評価

-
「間」と色々説明し過ぎひんのが優しい。

ファニーがちょっと夢追い人でそこが、、ええやつやけど。
でもファニーとティッシュの2人のシーンはどれもロマンチックで良い。
そこと現実の対比がより出来事の不条理さを際立たせる。

ムーンライトでも思ったけど、説明しすぎひんいうかほとんど説明のないままにいつの間にか始まって終わる、みたいな所が限りなく透明に近いブルーを連想する。

衣装もセットもかわいすぎ。

最近ヘッドフォンで観るから音楽と周りの音をよく聞いて観るようになった。
タケ

タケの感想・評価

4.2
素晴らしかった。
映像がロマンチックで愛に満ち溢れた映画でした。音楽も最高。『ムーンライト』より好きかも。
kub

kubの感想・評価

3.6
ムーンライト好きで、そっから見ました。
音楽も相まって世界観に奥行きが深くなってるなあと。
matsukawa

matsukawaの感想・評価

4.5
それぞれ掘り下げ甲斐のありそうな多彩な人物が登場するも、印象的な表情や言葉を残して、その多くが1シーンだけでスクリーンから居なくなる。
ティッシュ目線で語られる物語であり、基本的に彼女が認知できた事柄しか描かれないスタイルなのでそうなっているのでしょうが、それだけが理由とも思えない。
それくらい1シーンだけの登場人物たちの描かれ方に含蓄がありすぎる。
テレビシリーズで一人ひとり掘り下げてほしいとか無粋なことも思ってしまう。とにかく彼らの事が気になってしまうのだ。
ティッシュの母と姉達。ファニーの親友。レイプ被害者のプエルトリコ人。親切なユダヤ人。等々。
彼らのこれまでの人生や、背負っているもの、抱えている痛み等。ほとんど語られる事なく、観客の想像力に委ねられる。
委ねられた広大な領域が、そっくりそのままこの映画の豊かさになっている気がする。

いろいろな描写を省略したこの映画は、その残りのリソースを全てティッシュとファニーの叙情に費やす。
二人の感情の動きを描くために、アップを多用し、色彩をコントロールし、実に贅沢に時間を使う。本当に見事な「感情の映像化」で、この表現だけでストーリーとは関係なく感動してしまう。
そしてこの感情表現が生き生きとしているせいで、差別の理不尽さが余計に際立つ。

豊かな感情表現と、淡々と描かれる日常としての差別。叙事と叙情が両立する素晴らしい芸術作品だと思います。

誰も奇跡は起こせず、個人はシステムに勝てず、押し潰されて終わりではなく、ただ押し潰されたまま生きていく。
辛い話なのであまり見返したくはないけれど、愛おしくて抱きしめたくなる映画です。
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