hiro

スリー・ビルボードのhiroのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.0
設定4/脚本5/役者5/映像音楽3/個性3

脚本がうまい。ちぐはぐなようで納得感は強く、自然なようで展開が読めない、観客を掌で転がしているかのような進行。ずるい。

発端は娘に対し強姦致死を犯した犯人の捜査が進まないことに痺れをきらした母親が警察を非難する広告を3枚掲載したこと。非難は警察からだけでなく世間からも。「怒りは怒りを来す」。不幸の連鎖はとまらず各関係者が主人公に翻弄されていく。

まさかの群像劇。数人の視点で話が進んでいく。殺人事件はあくまできっかけ、田舎の人間達の喜怒哀楽を眺める作品。
人間って多面的なのに、最近は社会的弱者"っぽい"人の意見ばかり御用聞きするけどそうじゃないよね、立場は関係なく人っていい面悪い面知られたくない面あるよね、というあたりを映像トリックに頼らず役者が過激な感情を観客にぶつけることで心を揺さぶる。

なので中心人物の演技は非常に大事な点でしたが特に主人公役フランシス・マクドーマンドは自然な演技が素晴らしかった。

できすぎた映画、可愛げはないです。笑

2018-24(20)
hiro

hiro