DZ015

スリー・ビルボードのDZ015のレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.5
ミズーリ州の田舎町。娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は進展しない捜査に苛立ち警察を批判する3枚の大きな広告看板を設置する。

想像以上にヘヴィーだったし笑えたし泣けたしといいように揺さぶられた。即ち大傑作。単なる犯人探しのミステリーでもサスペンスでもなく、人間の持つ様々な面を温かな目線で、複雑な人間模様を絡めながら丁寧に描く。

日頃他人に対してつい簡単にレッテルを貼りがちだが、見方、立ち位置によってまったく印象が異なってくるのもまた人間。監督の人間愛がしっかりと刻み込まれている。繊細な演出を見事に表現する役者陣も素晴らしく、それぞれが泣かせに来る。

想像以上の重さながら登場人物と共に観客もまさに「救われる」ようなラストのさりげない一言が本当に素晴らしく、大切な監督の一人となった。
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