DZ015

オッペンハイマーのDZ015のレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
全編がサビのような情報量に3時間が一瞬。とはいえ処理が追いつかずわからないシーンが多々あるので自分の理解力に問題があるのでは?と不安になるも、あの町山さんをして「5回観て大体わかった」と語られており一安心。それにしても8ヶ月も日本公開を躊躇するような描き方ではまるでない。泣いた。「広島、長崎への原爆投下を軽視」どころか十分踏まえた上でより大きな問いかけをされていると感じた。映画に限らずすべての芸術は作品の「向こう側」を見てこそだと思う。表層だけ見てガタガタ言う「声の大きい人達」に合わせていたら世の中どんどん息苦しくつまらなくおかしくなってしまう。実はただの集客戦略なのかも知れませんが。

オッペンハイマーの葛藤と苦悩は十分に伝わるもののその複雑なキャラクター描写が感情移入を難しくしているのですが、ノーラン監督のこと、相当リアルな人物像であるに違いない。アインシュタインの存在がとてもよかった。

毎度強烈な余韻を残すラストカットが素晴らしいノーラン監督ですが、本作もまた凄まじく良くいまだ脳裏に焼き付いている。
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