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スリー・ビルボードのako4uのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
3.9
クライムサスペンスと銘打たれていたので、犯罪劇のようなものを想像していたのですが
クライムという設定のうえで
描かれてるのは 人間でした
怒りと赦しという 人間の永遠のテーマ

小さな日常の怒りだって コントロールは困難を極めるのに
家族を殺されたとしたら
想像するだに、どうやって怒りから逃れたらいいのか わからない

怒りの火に焼かれるのは地獄
怒りが連鎖していくのは地獄
地獄の釜から抜け出す方法は 自ら断ち切ることのみ
そうわかっていても
怒りを手放すことは 本当に難しい

人間が 一生携えていくテーマだと思います
生きることは、赦す術を身につけていく闘い
生きることは、赦すこと です


観ている側の胸にも 怒りが湧くように 作られている
それでも最後は
2人が 立ち止まりますように 怒りから解きはなたれますように と祈らずにいられない

最初と最後に流れる 優しい神々しい音楽は、祈りのようだと感じました
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