通りすがりのアランスミシー

スリー・ビルボードの通りすがりのアランスミシーのレビュー・感想・評価

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.8
誰が犯人なのか?誰が悪なのか?何が悪なのか?
全てをはっきりとは描かないのがいかにも2010年代の映画らしい。
韓国映画の「殺人の追憶」を思わせるグレーな世界を描いた正統派ドラマ。

ストーリーは徹頭徹尾シリアスなのにコメディとしても成立しているのが本作の最も特徴的なところではないだろうか。
劇作家として数々の実績を残したマーティン・マクドノーの手腕がさえている。こういうブラックコメディー風味は英国・アイルランド文化圏ならではの味。
フランシス・マクドーマント演じる主人公が作業中に現れた鹿に向かって心情を吐露するところなどいかにも舞台出身者らしい発想だ。

残念ながら日本では全くヒットしなかった。