花子

タイムトラベラーの系譜 エメラルド・グリーンの花子のネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

3作分特に気になったところだけをまとめて。

私の理解力がないだけなのかもしれないが、エメラルドまで12の血が揃うと具体的にどんなことが起こるかがいまいちわからず、達成させようとする側も阻止しようとする側もどちらの行動理念もいまいちよく分からなかった。
世界を支配する、といった抽象的な表現はルビーから何度も出てきていたが、あまりに抽象的すぎて恐ろしさが感じられない。

サファイアは、グウェンの出生の謎が明らかになって嘘で塗り固められ振り回される苦悩がとても伝わってきて良かったと思う。

エメラルドでグウェンがいきなりチートすぎて、どういう理由でそんな能力を持っているのかもわからず、突然そんな設定を出されても…と少し醒めてしまった。
トラベラー同士の娘だから、の一言で納得しなければならないのか、そもそもそれすらたしかサファイアでたった一言言及された程度だったような…置いてけぼりにされたような感じ。
カラスの力とは一体何だったのか。ルビーで出てきたあの少年は?そこら辺の謎が残る。

ジェームズがとってもいいキャラで好きだけれど、何故突然ワクチンで助けたのかが不明瞭。結果的にそれは伏線でそのおかげで彼の助けを得られるのだけど、微妙に腑に落ちない。

シャーロットが驚く程美人。個人的に作中での変化が1番嬉しかったキャラ。
トラベラーでなかったと発覚しても組織のために動いていたのに、同士と思っていた愛するギデオンはグウェンに取られた上にいつの間にか思想が変わっていた彼に罵られ、組織からも約立たずのような扱いを受け…とうとう我慢の限界か大爆発してパーティで歌い叫ぶ姿。幼い頃から訓練を受けたエリートだった彼女の吹っ切れた瞬間、非常に見ていて気持ちが良かった。
初めはグウェンに散々嫌味を言っていたものの、それを機に同じ目的を抱く仲間として信頼し合うようになったのもよかった。

ラストのタイムトラベルの使い方はとても理にかなっていて、過去に戻って護身術などの修行をつめば確かにどれだけ時間をかけても問題ない。
ギデオンが撃たれてしまってもやり直さず続行したのは初めは何故?と思ったが、そう言えばその薬、そんなことも言っていたなと。

そもそもあのシーン、逃走中に愛なんか囁きあっていないで早く逃げていればそんなことにならなかったのではと突っ込まずにいられない。

執事の男性、やけに協力的だと思えば。
とてもできる男で格好良い。

エンディングは学校の名前が変わっていたり、色々と影響が出ていて面白かったのだが、作品全体を通して、どうしてもタイムパラドックスを考えてしまう。過去を変えてはならないとルビー辺りで話していなかったか。
不死身の中和、そんな話どこかでしていたか全く記憶にない。

全体的に面白かった点よりも疑問点の方が多く、クライマックスも盛り上がりに欠けるような印象だった。
タイムトラベル系は伏線をわかった上でもう一度見返すのが好きだけれど、これは1度見ればもう満足。
花子

花子