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キセキの葉書のゲルのレビュー・感想・評価

キセキの葉書(2017年製作の映画)
3.3
障害のある役を演じた子役が素晴らしかったし、美幸役の鈴木紗理奈もがんばっていたと思うけれど、個人的にはそれだけの作品。
テーマがひとつじゃなくてどれを描きたいのかわかりにくかったし、終わり方もなんだか中途半端だった。

脳性まひの子供を含めた2人の子育て中に夫は海外赴任、離れて暮らす親の認知症……そんな忙しいなか毎日葉書を書いたり執筆活動もしたり、美幸はとにかくすごくパワフル。
ただ、すべて女性ひとりのがんばりによって成り立っている感があり、今時そういうことを賞賛するのはどうかと……。
普通に倒れると思う。
映像が特に美しいわけでもなく、映画というよりテレビ的な作品で、感動のシーンも作られた感ありありで泣けない。
女性ががむしゃらにがんばることに違和感を覚えない人でないと共感できないと思う。
若い世代ほど共感できないのではないだろうか。
美幸の背中の子供が大きすぎて、そんな直接背負わなくてももっと別の方法があるのではと終始気になった。
現実の息子は現在遠く離れて暮らしているようだし、今も結局原作者のがんばりによって彼女の身の回りのすべてが成り立っているのではないだろうかと心配である。
親ががんばっている姿を子供に見せることはもちろん大事だけれど、幸せそうにしているところを見せるのはもっと大事ではないか。
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