Boss2054

バース・オブ・ザ・ドラゴンのBoss2054のレビュー・感想・評価

4.7
ブルース・リーを演じる役者さんは大変ですよね。
増して、観客サイドがブルース・リー世代だったら、そりゃあ、もう、大騒ぎですよね。
先ず、姿形が似てなきゃいけない。
アクションが出来る上にブルースに似てなきゃいけない。
さらに、ブルース独特のあの演技もマスターしなきゃいけない。
今回、ブルース・リーを演じた役者さんは、姿形はあまり似てませんでしたが、
アクションとブルースらしい演技は結構似てました。

お話は、実話をもとにしたとありますが、話半分に聞いておきます。
サンフランシスコで調子に乗っているブルースに中国から少林寺の達人が来て戒める話です⁉︎
で、ブルースはその達人と闘った結果、詠春拳から脱却し、ジークンドーを新しく生み出すト云う展開です。
自身の型にこだわっていたブルースが、
まさに型を破って、
ブルースの哲学である、
水の様に生きるト云う思想まで手に入れます。

ブルースのファンのために、
ブルースがその後出演した映画のオマージュ的なシーンも散見できます。
が、ファンとしてひとことだけ言わせていただくと、
ヌンチャクのシーンがあるのですが、
ヌンチャクは、アメリカ映画界でうまく行かなかったブルースが香港に戻って、
我が倉田保昭氏からその存在を教わって、独自の方法で使い始めたのがホントです。
ですから、コノ時代、ブルースは、ヌンチャクに出会っていません。
私って、イヤな奴でしょ。

が、コノ手の映画は途中で破綻する傾向が多いのですが、
ホンの構成がうまく、
最後まで飽きさず見せ切ります。

クライマックスは、
往年の高倉健さんと鶴田浩二さんの殴り込みを彷彿とさせます。
この時の敵がもっと強いか、
その強さを事前に伏線で張っておけば、もっともっと盛り上がったコトでしょう。

しかし、久しぶりのカンフー映画として、充分楽しめました。

カンフー映画ファン、
ブルース・リーファンは観ても良いかなあ…。
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