アガサ

ブリグズビー・ベアのアガサのネタバレレビュー・内容・結末

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

産まれてすぐ病院から連れ去られたジェームス。
彼の性格や習慣や価値観などのすべては、誘拐した犯人夫婦が与えたもの。
25年の時を経てジェームスを取り戻した実の両親は、彼を自分たちの子であると同時に知らないよその子のようにも感じてしまう。
ジェームスに罪はないのはわかっているけれど、その子を形作るものを許すこと・認めることが出来ない。
犯人を肯定することと同義になってしまうから。
両親のこの歯がゆさ、かなしさ、苦しさが胸に刺さった。
歳の離れた妹の存在もすごくリアル。

相手の言葉やリアクションをそのまま真似るジェームス。
あまりにダイレクトで嘘やごまかしのなお彼の言動に、自然と胸襟を開いてしまう周りの人たち。
SF好きの同士として、先入観なくフラットに接する妹の友達。
諦めた役者の道にふたたび片足突っ込んでしまう刑事。
知らなかったとはいえ犯罪に加担させられていた過去と向き合うことになる元子役。
周囲にいい影響を及ぼしてゆくジェームスの根幹であるブリグズビーベアの製作者が、利己的で非情な誘拐犯というねじれ具合がいい。
キレイなお話しすぎて物足りなさも感じたけど、やはりラストの映画づくりには目頭が熱くならずにはいられなかった。

あれもこれもみんなひっくるめて、あなたはあなた。
両親の勇気や計り知れないほどの愛情に包まれ、今後ジェームスはどんな映画を撮るのだろうか。
ほんとにいい映画でした。
めちゃくちゃすき!
アガサ

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