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ブリグズビー・ベアのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.7
25歳のジェームズ(カイル・ムーニー)は両親のテッドとエイプリルとともに地下の家に住んでいた。両親に外出を禁じられているジェームズにとって、外の世界との唯一の繋がりは『ブリグズビー・ベア』と呼ばれる教育番組だった。ジェームズは番組に夢中になり、すべての番組のテープや記念品で部屋を満たしていた。ある夜、密かに地下を抜け出して屋根の上にやってきたジェームズは、パトカーが家にやってきてテッドとエイプリルが逮捕され連行される姿を目撃してしまう。
ジェームズも警察に連れて行かれ、事件を担当しているヴォーゲル刑事(グレッグ・ギニア)と出会う。ヴォーゲルはジェームズに、テッドとエイプリルは彼の本当の両親ではなく、彼が赤ん坊の頃に誘拐されていたことを伝える。『ブリグズビー・ベア』もテッドらが作った偽物の番組で、スタジオから出てくるテッドを追跡して判明したという。ヴォーゲルはジェームズに本当の両親のグレッグとルイーズ、さらに彼らの10代の娘オーブリーを紹介する。ジェームズは新しい人生を送ろうとしたが、『ブリグズビー・ベア』が現実でないことを受け入れることができなかった。
ある夜、オーブリーはジェームズをパーティーに連れて行く。彼は新しい友達らに『ブリグズビー・ベア』の話をしていると、テッドとエイプリルの逮捕によって未完となってしまった『ブリグズビー・ベア』の完結編である映画を自分の手で作ろうというアイデアを思いつく。
オーブリーの友達で映画監督でもあるスペンサーも彼の映画製作に賛同し、ヴォーゲルから番組の小道具も借り、映画製作が始まった。
80年代の子供番組やスターウォーズへのオマージュなどが込められたヒューマンコメディ。
「ブリグズビー・ベア」から得た知識しかないジェームズは、いわゆる「普通」からズレていて風変わりかもしれない。
だけど、映画への情熱が、妹のオーブリーやオーブリーの友人で映画監督のスペンサーや刑事で演劇にかつて熱中していたヴォーゲルを惹き付け、ジェームズの映画作りに巻き込んでいく。
映画作りの中で、車の運転や脚本の書き方や友人関係の作り方を学びジェームズは成長していく。世の中の「普通」に合わせるより、時には自分の好きなことを追求することが自分の世界が広がるし、有意義なことかもしれない。そんなことを思わせてくれる傑作ヒューマンコメディ映画。
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