秘書との結婚を控えている堅物弁護士（ピーター・セラーズ）が、自由奔放なヒッピーの女性にドロップアウトの喜びを諭される。60年代末期のヒッピー・ムーブメントを背景にしている、ヒューマン・コメディ。

「意識レベルの革命！精神の解放！」を掲げる若者たちが、ヒンズー教に宗旨替えして、幻覚剤にファンタジーを視ていた時代の物語。若者カルチャーを傍観する立場にあった弁護士が、人生観の刷新を実体験していく。

主人公がサイケ柄のマイカーを持たされてしまう冒頭部から、マリファナ入りブラウニーという愉快なアイテムの登場、ドロップアウトした主人公の大変身（ピーセラの演技も別人のようになる）まで、ラブ＆ピースなコメディがフル回転する。

決してヒッピーの生き方を美化することなく、主人公の視点を通してヒッピーの変なところを浮き彫りにさせていく語り口が素晴らしい。そして、主人公の雲散霧消と同時に「人間は哲学を続ける生き物である」という普遍性を提示するラストが印象に残る。

ピーセラのコメディ。弁護士のセラー図、ヒッピーに変装して街に出る。そして女性を連れてくる。彼女はケーキを作るが、マリファナ入りで大騒動に。

おわりのたたみかけ🦋