土平木艮

ワンダーウーマン 1984の土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…主人公・ダイアナの幼少時、故郷の島での『アマゾン的トライアスロン』の場面からスタート。レースでズルしたダイアナ。母に『ズルはダメ。真実が大事』と叱られる→舞台は1984年のワシントンD.C.。博物館で働くダイアナ。ワンダーウーマンとして人助け→ある日、盗品を扱う美術商を狙った強盗団を退治→FBIから被害品の鑑定依頼。鑑定に当たるのは新人同僚・バーバラ→鑑定品の中に『願いが叶う石』が。バーバラ、石の力で『チーター』に。ダイアナは『スティーブを生き返らせたい』→でも『石に願いを叶えて貰うと、代わりに何かを失う』というルール有り。ダイアナ、超能力が弱まる→"ほぼ詐欺師"の実業家・マックス、バーバラに接近、石を盗む→マックス、石の力で、自分自身が『願いを叶える力』を得る→人々の願いを叶える代わりに、自分の望むモノを得るマックス→ダイアナ、生き返った?スティーブとエジプトに行ったり、アメリカに戻ったり。でも超能力が弱まってるので苦戦→スティーブ、ダイアナに『願いをキャンセルしろ。世界を救え』発言。ダイアナ泣く泣く決断。スティーブと再びの死別。超能力取り戻す→マックス、衛星を使って世界中に通信。マックスも世界中の人々も、欲望に際限なし→世界は大混乱。米ソ核戦争寸前に→ワンダーウーマン登場。チーターを倒し、通信衛星を使って世界中の人達に『真実が大切。辛くても(石の力を使ってズルせずに)現実と向き合って、世の中を変えて行こう』と訴える→世界中の人達が願いキャンセル。マックスも息子を守る為、願いキャンセル→核戦争は防がれる。世界も元通りに。



『科学技術が大きな発展を遂げ、欲望に満ちた時代』である1980年代を舞台にした作品。

『みんなが少しずつ我慢すれば、世の中は良くなる』って感じの、今時のメッセージが込められた作品。その方向性は良いと思う。

最後の『悪役を退治する方法・世界を救う方法』が、暴力ではなくて『説得』なのも、『暴力は連鎖し、破壊や憎しみしか産まない』と言う、『人類の歴史に於いての究極の命題的なモノ』の解決を目指しているようで、志としては立派。

『ダイアナとスティーブの幸せな時間』…スティーブが1984年の街を楽しげに歩き、それを微笑んで見守るダイアナ。共同作業で、花火大会経由でエジプトに向かうくだり…は、見てて楽しかった。



以上、良いところはあるんだけど、何というか…。全体的に『雑な作り』に見えてしまった。
いきなり『空を飛べるようになる』し(だったらジャスティスリーグの時にも飛べば良かったのに…)。
ヴィランが二人居るので、何だかピントがボヤけてしまった感じだし…。チーター、目立ってない感じ。


でもハリウッド大作が軒並み公開延期になる中で、『劇場で映画を観る楽しみ』を存分に味わわせてくれるだけでも、価値はある。
少なくとも、自宅のモニターで観るよりは、映画館で観た方が楽しめる作品。



予告編では、もっと日本の場面が多い気がしたけど…あれだけ?
チャイナマネーへの配慮も感じられた。


大統領&敵役・マックスが、どちらも『ドナルド・トランプ似』な気がした。


ラストに出てきた『伝説の戦士・アステリア』。次回作への『振り?』と思ったけど、後で調べたら『TV版ワンダーウーマン役』の『伝説の人』だったみたい。そういう『リスペクト』的な部分も、少し素敵。


やはりつきまとう『黄金聖闘士』説。
土平木艮

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