ちのも

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのちのものレビュー・感想・評価

4.3
くっっっっそ面白かった。

瑕疵はある。まずアナ・デ・アルマスがそんだけ?っていう感じで退場するし、しょっぱなから能面でビビらせてくれる(あのシチュエーションで能面の襲撃者とかもうスリラーだよ)レミ・マレック演ずるサフィンの動機がふわっとしてるし、DO☆GE☆ZAだし、何より上映時間が長い。15でシリーズ見始めてたとしても30よ。2時間半は色々と限界よ。しかしそれが気にならないというか、そんなものぶっ飛ばしてくれる面白さだった。

アクションスタントの格好良さに加えて、ラシャーナ・リンチがキマってる。レミ・マレックの不気味さ、ビリー・マグヌッセンの小物感、クリストフ・ワルツの狂気のはずなのに素面なところの奇妙なリアリティ。出番短いけどアナ・デ・アルマス、ペーペー感が良くワンカットだけの蹴りの美しいこと!ベン・ウィショーの涙目にこっちも涙目だし、ダニエル・クレイグはもうずっと爆発してた。

感染という期せずしてタイムリーになってしまったギミック、そして何よりエージェントとしての死後から始まる今作のタイトル。NO TIME TO DIE(死ぬ時ではない?死ぬための時間はない?主語がないのがまたいい)、もうノーミがボンドに譲るところでニヤッとしてしまうし、終盤心の中でずっと叫んでた。いやもう大成功では???

塔を上がっていくところの銃撃戦から近接格闘長回しには痺れたし、地下を彷徨う緊張の中でしっかりオープニングと同じポーズでの射撃シルエットが入っててたまらん。エンディングの字幕で追い討ちをかけるのをやめろ(最高だ)。
そうだオープニングも前作の女侍らせました映像がどうしちゃったのっていうぐらい格好良かったし色々リンクしてんのな…冒頭の水の中のマドレーヌ、ノーミの職業、フェリックス、予告編で流れてた部分の後の潜入シーン、それから、どうなんだろう。映されてないラストシーンもひょっとしたら、と思ってしまう。うまい。

愛と家族というところに着地するのはまあありがちっちゃありがちなんだけど、そこまでの道筋をこう…えっ、こんな盛り上げちゃうの?マジで?っていうぐらい盛り上げてくれるし、レア・セドゥーがまたいいのよ。強くて。クライマックス、まさか007で涙目になるとは誰も思わんよ。

正直スペクターがふわっとしてて「ふーん」って感じだったけど、そのふわっと感とちょっと緩いところをカバーしてあまりあるぐらい楽しませてもらいました。終映後本当に「面白かった…!」しか出てこなかった。

は〜、5作一気に見返したい。どこかのシネマシティさんあたりそのうちオールナイト極音やってくんないかな…。
ちのも

ちのも