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We Love Television?のkomblogのレビュー・感想・評価

We Love Television?(2017年製作の映画)
1.0
いろんな意味で時代錯誤なノスタルジーだけの作品📺

ショージキ、俺の世代でさえ番組を見た記憶がほぼない欽ちゃんを、また現代の人にとったら「誰?」ってゆーレベルの日テレの土屋プロデューサーが担いで、30%番組を撮ろうと持ちかける、というお話のドキュメンタリー。

そもそも2011年にこのドキュメンタリーで題材になっている番組は放送されたらしいけど、その時間違いなく日本にいた俺の記憶に一切ないんだから、オチはもうわかり切っているし、もっとはっきりいうとこのドキュメンタリーを作った側、企画した側に現代のテレビの環境で30%の視聴率を取るバラエティ番組ができると思っていたとは到底思えない。

そういうリテラシーというか、推測ができる人からすると、そもそもこの映画は初めから悲しげなノスタルジーだけの映画に見える。

年老いた欽ちゃんも悲しいし、30%取れる番組が作れるという虚構を前提に動いているこの作品の作り手側も悲しいし、この番組が放送された後例のナマポ問題に見舞われる河本準一の涙が一切出ない鳴き真似も悲しいし、オチとして「作り手が諦めなければ〜」みたいなテレビというメディアに対する現実認識も悲しい。

2017年のゴールデンタイム3時間の平均視聴率の合計は60%を切っている。1998年でも72%ほどあったので、欽ちゃんが現役だったころはさらに高かったはず。

さらに首都圏ではチャンネルは昔より増えているから、60%をチャンネル数で按分すると、10%とっていれば平均以上の視聴率になる。

そして動画配信サービスの台頭も考えると、この映画の結論である「作り手が情熱を持って諦めなければ〜」は明らかに虚構で、待っていても、粘って見てもテレビは昔のような集客力は回復しない。

映画がテレビに変わったように、テレビも動画配信に代替される運命だと思う。

実際この作品もそれに気づいていて、冒頭で欽ちゃんの「今のテレビは、チャンネルが少なければもっと面白い」という言葉や欽ちゃんがのちに動画配信に手を出すところを写している。

そういう意味では、作り手も元から信じていない欽ちゃんと再び30%番組を作るという企画自体に誠実さを感じないし、この作品が字幕で垂れ流した結論めいた言葉と、実際の被写体である欽ちゃんが体現している真実との乖離にも違和感を感じる。

後、ぶっちゃけ、ただの電波少年風のデジカメで撮ったやっすいバラエティだよ、これw それが今だに面白いとか思っている土屋とかいうやつもレベルが低いと思う。

ま、渋谷ヒューマントラストで公開最終だったっぽいので見たけど、ぶっちゃけ見る価値があったのかというと…❓作り手の胸糞感が嫌なので、欽ちゃんは尊敬するけど、点数はこれです😩
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