シルヴェスター・スタローンが自ら脚本を書き上げ主演した『ロッキー』。
その主役〝ロッキー・バルボア〟のモデルとなったボクサー〝チャック・ウェプナー〟の伝記的映画。
実際、当時絶大なる人気と名声を上げていたヘビー級世界王者〝モハメド・アリ〟から、ヘビー級では少ない白人という理由だけで世界王座戦への挑戦者として指名される。
どこまで本当か分からないが映画の中の〝チャック・ウェプナー〟の私生活は、お世辞にも世界王座を狙う器ではない。
少なくてもそこから彼の人生が変わったことは確かだ。
舞い上がり自惚れ自尊心を失い堕落する姿は、自業自得で救いようがない。
しかし、そんな彼が変わり果てピエロになったとしても理解者がいることは救いだろう。
それより映画を淡々と観ていたが〝チャック・ウェプナー〟役が、あの〝リーヴ・シュレイバー〟と気づかなかった。
さらに〝ナオミ・ワッツ〟出てたの???と言うくらい、気を抜いて観ていた自分がいた。
結構、重要な役どころだったのに…。
『チャック 〜“ロッキー”になった男〜』と言う変な邦題が付いているが、残念ながら〝チャック・ウェプナー〟は〝ロッキー・バルボア〟にはなれなかった男。
スタローンが書き上げた〝チャック・ウェプナー〟は、あくまで1つのキッカケで有り〝チャック・ウェプナー〟を描いた訳ではないのだ。
改めてスタローンの『ロッキー』の面白さを実感し、脚本の素晴らしさを知り、現実の厳しさは映画のようにはいかないと切なさすら感じる..★,