喜田なつみ

顔たち、ところどころの喜田なつみのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
4.4
二人とも凄い経歴なのに
飾らず、
柔らかな感じが心地よかった。。
写真家のJR33歳と今は亡きジャックドゥミの妻であり、自らも映画監督のアニエス87歳が色々な人に会いに行き
そこで写真を撮っていく。

二人の関係がめっちゃめちゃよい。
JRはアニエスと対等につきあいながらも
細かく気遣いが垣間見える。

アニエスは横柄にしないし、
終始言動がおちゃめ。
JRの茶化しが、おもしろさを際立たせる。

終始ゆるやかに進むが、

コトバの節々に重みのあることを、おとしていく。

「偶然が常に最良の助監督」
とか

「目的は想像力

自由な発想から物事を想像し問いかける
想像を働かせてる?と、

想像力は人と関わる物だから
人に会って写真をとってる」

染みる。
そして、工場で働く人を撮ったり
ヤギを育ててる人を撮ったり

1人1人の一般人の過去の歴史を
大切にして作品にしている。

歴史って大きなこと成し遂げてない人でも、誰でも1人1人の持つ物だっておもってたけど、
こうやって大きな作品にすると更にそう感じる。
歴史は偉い人、凄い人だけってものでもないのだ。結局は人の経験だ。
そこに経緯を持って

きらきらした目で彼らをみて
作品にしてて
凄いことやってる。

写真って人の心や経験をここまで写しきれるのか。と驚いた。目に焼き付いた。かっこよすぎた。

アニエスが監督なだけあってドキュメンタリー?なのに、映画にもなっている。

87歳の涙が、泣けた。
あの年齢になったときあんな素敵な思考で
感受性ゆたかになれたらめっちゃめちゃ素敵なおばあちゃんだ。
と、憧れにもなった。
そしてそれを「僕に出来ることがあったら何でも言って」と言って励ますJRも大好きだ。
年配となぜ、JRがこんな風に接することができるのか、理由も描かれてる。

2人が出会ってくれてほんとに嬉しい。
出会って愛ある作品を生んで人々の心を響かせていくのだ。

私もアニエスに会いたかったな。
イスでバタバタ足を遊ばせるのかわいすぎたよー!
喜田なつみ

喜田なつみ