犯罪に留まらない様々な罪、そして罰を描く贖罪をテーマにした一作。
人物が多すぎてやや散漫になっている感じもしたけど、そこは「掛け違い」を残しているんだろうな。
ただ、罪を浮き立たせる側があまりにも現実離れしていてどうにも違和感が残る。
この中の人物は赤の他人への興味は人一倍強いくせに、身近な人への関心が薄い。
マスコミでの醜聞を好奇心で見る一方、大切なものを疎かにする心はわからないでもないけど、とにかく能動的に他人の情報を漁る。今時の若いもんがそんな面倒なことすっかなあ。
もう一つ、「流されやすい」益田が取り返しのつかない罪の重さを自覚したにも関わらず、また同じ罪を繰り返す。それが一度だけならまだしも、二度もやらかすともはや天丼ギャグの領域…いやお前今まで何学んできたんだよ!って思わずツッコミ入れざるを得ない。
最後にそれを悔やむんだけど、普通なら唸らされる熱の入った好演が逆に空回ってしまう。
元殺人犯「A」瑛太のほとんど壊れた人間性も「なぜそうなったか」が明かされないのが消化不良。
うーん、いろいろ惜しいなあ