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コンプリシティ/優しい共犯のKのレビュー・感想・評価

3.7
コンプリシティ=共犯、共謀、連座。外国人労働者に対する雑で不当な扱い。搾取。給湯器。クレジットカード。あまりに身近な犯罪と報酬。危険と隣り合わせとは言え、そちらに手を染めてしまう気持ちが分からなくもない描写。家族のため。息子との折り合い。ずんだ団子。二人乗り。クラブ。財布。お祭り。裁縫袋。不法滞在したらどうなるのか。国外退去だけかと思っていたので詳細が気になり検索。3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が課せられる場合もあると知る。そして雇用した側にも問われる罪=不法就労助長罪。こちらも3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方。わざとらしくなく、さりげなく近づいていく二人の距離感がいい。特に明確な理由の説明はないけれど、藤竜也さんの寄り添い方にグッとくる。長く生きた人だからこそ出来る行い。その後が知りたくなるラスト。想像で補完。罪は罪…とは言え、二人が笑顔になれる未来を願わずにはいられない。ささやかながら、確かな人の温かみと優しさが伝わってくる作品だった。なお展開が読めてしまうのでこの副題はいらないと思う。テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」。
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