MMM

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のMMMのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

まずこの映画のポスタービジュアルと映画の中身のギャップがありすぎる。加藤浩次みたいなおっさんがタクシーから笑顔で顔を出しているビジュアルを見て、ずっとタクシー運転手〜奇跡を運ぶ〜みたいな感じの幸せリレー映画想像してたら全然違うじゃん。パラサイトのソンガンホが出てると知って、へーあの加藤浩次パラサイトの人だったのか!となり、映画のあらすじを読むとどうやら幸せを運ぶタクシー運転手の話では無さそうなので鑑賞することに。光州事件を何も知らない私にもその悲惨さを伝えるすごい映画だった。どこか品のないけど悪いやつではないタクシー運転手と外国人記者のストーリー。どこまでが史実でどこまでが脚色かは分からないけど、色んな人が命がけで光州事件を伝えようとするのすごい。誰も自分の命のことだけ考えてない。こういう映画の内容だと命がけで事実を伝えようと奔走する記者に焦点が当てられがちなのにタクシー運転手にフィーチャーしてるのが珍しい。確かに記者だけが命懸けで取材してるんけじゃなくて、その裏には通訳の学生とか運転手とか、家に泊めてくれた人とかいろんな人の命懸けがあって取材できた。なぜ軍が丸腰の国民を襲うのかというところは映画の中では謎のままだったけど、この映画きっかけで光州事件について知ろうと思えた。同じUターンでも最初の逃げようとしたUターンと、ピーターを迎えに行こうとしたところでは正反対の行動。最後娘に靴渡すところ描いて欲しかったな。そしてこれがたったの40年前ということが怖い。ただテレビを見ているだけの人にとって報道されていることが真実なのか嘘なのかって分からないよね。こういうときに真実を伝えようとしてくれる記者の存在はとても大切。だけどこんなに命張ってくれる記者って世の中に何人いるんだろう。日本はどうかな。
MMM

MMM