タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のネタバレレビュー・内容・結末

「タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜」に投稿されたネタバレ・内容・結末

韓国はいい映画が豊富。
ソンガンホはサイコー。
けど、ワンダーウーマンの時も思ったけど、どうも自分には自己犠牲的なものが苦手みたい。命まで投げ出すような。ラストのカーチェイスのシーンはアガるけど、どっか引っかかるのはそこ。
でもいい映画に変わりはないけど。
ジャケットの能天気そうなタクシー運転手と韓国の民主化運動は合わなそうな組み合わせに思えたが、エンターテイメント作品でありながら国家による市民の虐殺が行われた光州事件という悲惨な出来事を重くしっかり伝える物凄い映画だった。
イケメンヒーローでもなく、聖人や人格者でもない、市井の人々の葛藤や勇気が描かれているのがよい。
てっきり光州事件を基にしたタクシー運転手が主人公の作り話だと思っていたが、タクシー運転手の存在まで実話であるようで衝撃を受けた。
やや重い。あそこまで弾圧して何がしたいのかわからないが、命懸けで状況を変えようとした学生やタクシー仲間達には頭が下がる。
この作品を観て初めて、「光州事件」を知った。40年程前にこんなことがあったのだなぁ。

ひとりの平凡な庶民であるタクシードライバー、マンソプ。最初は社会に対する疑問を感じることなく、デモを行う学生に対しても否定的な目を向けている。ところがドイツ人記者を乗せて光州に向かい、光州の市民や学生と出会うという過程を経ることによって現実を知ることになるのだが、マンソプが持っていた既成概念が壊されていく様が巧みに描き出されている。
政府の発表や、歪曲された内容しか伝えない報道を鵜呑みにする韓国の一般庶民と、事実に気付き、国を変えようとデモなどを行うことで国を変えようとする学生や記者たちが、英語を理解できるかどうかという教育レベルの違いできれいに描き分けられていた。ラストの光州からソウルに戻る際の検問所で、英語の話せる兵士がソウルのナンバープレートを見逃したのも、海外を知っているからこそ体制のおかしさを感じており、ソウルに向かうマンソプたちに、真実を伝え、国を変えるきっかけとなるように望みを託したのではなかろうか。
自らは命を落としたとしても、それが社会を変えるきっかけとなり、子や孫にまともな国を残せれば、というわずかな希望を託すことは、本当に見ていて本当に辛かった。このような自己犠牲をせねばならないような時代が、地球上からなくなり、再び来ないことを願うばかりだ。
光州で起きていることを少し離れた街の人達は何も知らないことが驚きだった。それほど政府によって情報が操作されていたということ。
現代ではここまでひどくはない(と信じたい)が、流れるニュースを鵜呑みにするのではなく、多くの視点から物事を考えることが必要だと思った。

正直、目を覆ってしまった場面や少しくどいかなと感じた場面もあったが、脚色はあれども根本は事実だということ。同じことが起こらないように覚えておかなければならない。
意味のある映画だった。

★ギンレイ
(なにも言葉が出てこない)というのが観賞後の感想でした

世界史の授業で習ったお勉強の話ではなく、人の想いが詰まった作品

日常の善意を拾わなきゃダメだと思わされます

当然、国側の惨殺行為が酷いと見えるけど、逆らったから家族が殺されると思ったら上官に楯突けるだろうか(私は家族を優先してしまうと思う…)


ナンバープレート見逃しお兄さんは最後のスパイス 救われます

ふと折りに思い出して観たくなる作品だと思いました


オススメです!
もともと関心はなくむしろ白い目で見ていた運転手が主人公なのがミソだと思う。

英語タイトルでは単数形だけど韓国語ではどうなのだろう。後半、タクシーで怪我人を助けるときや空港へ向かうときにはタイトルが「タクシー運転手」であることを強く意識した。

たとえ報道されていても知らないことがあったり知らない人がいたりする現状は怖いことなのだと反省。

最後に実際の記者の映像が流れることで現実味が増すと共に、タクシー運転手との間には映画では描き切れていないより深い交流があったのかもしれないとも感じた。
信頼の韓国映画ということで、あらすじに目を通さず鑑賞。
実話ベースということとタクシー運転手が遠くの町へお客さんを送り届ける、程度の事前知識しかなかったし、キービジュアルの印象から勝手にコメディだと思っていたので、ストーリーが進むにつれあまりにもシリアスな内容に思てたんと違う!ってなりました。
光州事件て私が生まれる少し前ですが全く知らなかった。
男手一つで娘を育てるタクシー運転手の主人公が、高い報酬を目当てにドイツ人の新聞記者を光州まで送り届けることになるが、検問所で追い返されるなどなかなか目的地へたどり着けない。
記者として光州で起こっている真実を持ち帰らなければならない使命を燃やすドイツ人記者は光州入りを果たすまで報酬は払わないと主人公に言い出し、困った主人公は再び光州入りを目指すが、そこには今まで報道されて来なかった真実があった・・・
全てが実話に基づくエピソードではないとはいえ、光州入りしてからの展開はとても心を揺さぶるものでした。
ドイツ人記者、デモの中心である学生や市民、同業者であるタクシー運転手達と交流するうちに、彼らの真実を伝えようと危険を顧みずに取材にあたるドイツ人記者に協力的になっていく主人公の心情の変化は涙なしには見ていられない。
関われば命を落としかねない状況で、自分の判断で現地へ戻る決心をしたシーン、銃弾に倒れた学生や市民を助ける為にデモ鎮圧隊の前にタクシーで突っ込むシーンはテンションあがりました。
真実を持ち帰るドイツ人記者を生きて帰す為に主人公達が奮闘するラストのカーチェイスは蛇足感が否めなかったけど、韓国映画にはマストな展開なので、脚色とわかっていながらも手に汗握りながら観てしまった。
エンドロールのこの物語のモデルになったドイツ人記者の方のインタビュー映像も印象的。
国境を越えた絆で結ばれたタクシー運転手の彼とは結局再会を果たせずにこの世を去られたようで、最後の最後まで涙が止まりませんでした。
天国で再会出来るといいなあ。
前半からの後半の切り返しの鮮やかさが見事。

ラスト近く、軍隊の車にタクシードライバーたちが体当たりして抵抗しようとするシーン、そこで一瞬「いけ」と、「やってしまえ」と、そんな風な、「敵をやつけろ」的なカタルシスを覚えかけて、自分自身にゾッとして我に返った。自分自身に人間の愚かしさを突き付けられた。どんなに感覚が狂おうが、人間という存在、生き物という存在である事に変わりはない。理解出来ない相手を排除してしまおうという不寛容・無教養・排外姿勢、そこへの反省の無さが営みを歪めるのだ。映画の中では偶々相手方に権力があったというそれまでの事であって、そんな理解不能な他者を"他者"として認めずに"敵"としてレッテル張りをし、その徹底的打倒にカタルシスを覚えたら、それは、それはもう何も彼らと変わらず狂ってしまっている。

上空から見たタクシーなどの構図の反復や俳優陣の演技も素晴らしい。
大好きソン・ガンホのにこにこゆるギャグを期待して観にいってたんですけど、前半と後半とでおんなじ作品なの?ってくらいいろんな要素があってほんと楽しかった!食堂のおばちゃんがだしてくれたオニギリがもう…こんなにオニギリでぐっとくる映画があるとは思わなんだよ…。
そして最後、車で壁を作って市民を守る流れからのカーチェイスは最高にアツい!!興奮しすぎて泣いた。
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