タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のネタバレレビュー・内容・結末

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜2016年製作の映画)

택시운전사/A Taxi Driver

上映日:2018年04月21日

製作国:

上映時間:137分

4.2

あらすじ

ソウルのタクシー運転⼿マンソプは「通⾏禁⽌時間までに光州に⾏ったら⼤⾦を⽀払う」という⾔葉につられ、ドイツ⼈記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま⼀路、光州を⽬指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に⼊る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの⾔葉に⽿を貸さず、ピーターは⼤学⽣のジェシクとファン運転⼿の助けを借り、撮影を始める。し…

ソウルのタクシー運転⼿マンソプは「通⾏禁⽌時間までに光州に⾏ったら⼤⾦を⽀払う」という⾔葉につられ、ドイツ⼈記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま⼀路、光州を⽬指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に⼊る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの⾔葉に⽿を貸さず、ピーターは⼤学⽣のジェシクとファン運転⼿の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1⼈で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。

「タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜」に投稿されたネタバレ・内容・結末

正直なところ、好みでない要素がたくさんあったのですが、にも関わらず、観た後の感想としては、とても見応えがあって凄い映画だなと思いました。

生活と事件、国民と国家、の関係性は情報から想像するしかなくて、間近な体験によって変わる意識とか芽生える感情とか戸惑いとかは、残酷な事件をより強く感じさせる重みで、心が張り裂けそうでしたが、展開のせいか、張り裂けずになんなら上がったので、ひたすら感心です。
滑り込みで観てきました!殆どの劇場では既に公開が終了してますが、どうしても観ておきたくて。

同じ考えの人が多いようで、小さな劇場は立ち見の人がたくさん出る程の盛況ぶりでした。

この映画は、普通の貧乏なタクシー運転手マンソプが突然大事件に巻き込まれていくところが肝です。

彼は何も知らないソウルの一般人です。

何も知らないから、何度も帰ろうとします。死の恐怖を味わったマンソプは、外国人記者ヒンツペーターを現場に置き去りにして娘の為に引き返すことを決意します。

とても理性的な決断です。マンソプには娘がいます。自分がいなきゃ、娘は生きていけないのです。

しかしマンソプは、帰る途中、うどん食いながら他人の話を小耳に挟みました。

真実を知らない人は、この騒動を反社会勢力としてのデモ隊が原因だと考えてしまっている。ニュースではそう言っているからだ。

自分だってそうだった。知らなかったから学生デモをただの迷惑行為だと決めつけて、勉強しろよとたしなめていた。

ただ、自分はひょんなことから真実を知った。お店で噂話をする人達は、以前の自分と一緒だ。

ここでマンソプは真実を正しく伝えることの重要性を実感するのです。

なぜヒンツペーターが命懸けで取材をするのか、なぜデモ隊は彼を歓迎したのか、分かったのです。

なんとかして報道させないと、無かったことにされる。

祖国を救うために戦う人々の命が無駄になる。

軍事政権の引くメディア統制の理不尽を目の当たりにするのです。

これはおれら観客にとっても同様で、すごく怒りを覚えました。

白旗を揚げる青年を撃ち殺した奴、絶対に地獄へ行くでしょう。

光州事件で戦い続けた人々に、そして民主主義を守る市民の正義感を感動的にリアリスティックに描いたこの映画に、敬意を表さざるにはいられません。

この映画がなぜ評判がいいのか分かった気がするのです。観てよかった!

ところで、キム・サボクさんとヒンツペーターさん、やっぱ再会できなかったのかなぁ…再会してほしいなぁ…

ということで、これは、映画観た後にどっかのサイト(https://kban.me/article/7423)で知ったのですが、この映画は韓国で大ヒットして、その映画を観た本人の息子(娘じゃないんかいw)が名乗り出たそうです!

で、そのキム・サボクさんは実はホテル専属タクシーの運転手で、外国人を日常的に顧客にしてたみたいなのよ…

で、英語は流暢らしいのよ…w

つまり、あのトンデモ英語でヒンツペーターを困らせたり、軍隊の検問で通訳兼ドライバーとして謎の以心伝心を見せたり、お互い相手の心のうちを探り合いながらも信頼を深めていくストーリーだったり、全部ウソ⁉︎言葉の壁が巧妙にユーモラスで、謎に微笑ましかったのは全て演出⁉︎

えーこんなの有り?

有り!個人的には大好きです!だって楽しかったもん。こんな仰々しくて笑えて泣けて。

しかも、ズルいのが、本当のストーリーも泣けるんだ。

だって、どっちに転んでも凄いんだよ…英語を話せるハイスペック運ちゃんが、外国人記者乗せて、リスク承知で行ったんでしょ?ヒンツペーターさんがなんで光州に向かうのか、知ってて送迎したんでしょ?え、こっちもヤバいよ!

どっちに転んでも感動不可避という…このヤバさ(語彙力)

でも映画としては貧乏なおっさんドライバーが何も知らないまんま巻き込まれて、光州まで行って真実を知ってしまう。脳裏には娘を常に思いながら、新たな役割を全うさせる。最後は光州タクシー仲間が合流してまさかの壮絶なカーチェイスw

むしろ、(やる気がないのかと思わせるほどに)平凡な映画ポスターや、コメディ風で平和な序盤との対比によって、軍事政権と情報操作の本当の恐ろしさを浮かび上がらせるのです。

ほんと秀逸な脚本です。

別れ際にヒンツペーターに連絡先を求められたマンソプ(キム・サボクさん)は、彼に偽の電話番号を教えています。もしヒンツペーターが日本へ帰る途中で捕まった場合に、次に追手が来るのを防ぐためかもしれません。

無事に任務を遂行したヒンツペーターは表彰され、21世紀の韓国に戻ってきます。彼はあのタクシー運転手との再会を強く望んでいるのです。

一方で、マンソプはまだタクシー運転手をやっています。

学生が忘れていった新聞を読んで、ヒンツペーターの事を知ります。紙面で戦友と再会した彼は、ドイツ人記者に感謝の言葉を呟くと、再び新しいお客さんを乗せて走っていきます…

こうして映画はエンディングを迎えました。残酷な運命に結ばれた2人の人間関係は美しく幕を閉じたのです。

しかし、もう一つのストーリー、つまり真実はこうです。

軍事政権の闇は2人の崇高な人間関係に最後まで毒牙を剥き、キム・サボクさんは1984年に、ヒンツペーターは2016年に、それぞれ再会を果たせぬまま亡くなったのでした。
この事件は名前を知ってた程度。

学生と反政府軍のデモ。
軍による凄惨な制圧。
誰のための正義なのか?

どうして?なぜ?何の意味があるの?と思う気持ちが全身を支配していた。
だからなのか、左目からだけ涙がこぼれた。感情が二分されて自分の半分だけが反応してる感じ。
心を殺されて。
少しずつ、搾り取られるように。


人は
なにか事が起こってしまったら
易々とは
後戻りはできないのだろう。
それが正しいことでも
正しくないことでも。
ある種、洗脳され
自分を操ってしまうのかも。
真実は闇のなか。
ある意味、人間の傲慢さや恐怖を感じた。。。

ソン・ガンホは観ていて飽きないよ。
いい役者。綺麗な女優は少な目。あの嫁さんの髪型は少しクスッとなったよ。

男の骨太な映画。


あの兵隊の行動に心が動く。
ほんの一筋の光が射した瞬間。

今の韓国がある理由だ。

まあ、ごちゃっとしたどんぶりめしみたいな感はあって、突っ込みどころ満載だけど、上手くまとめてくるところが韓国の底力だなあと感心しました。



【ちょっとネタバレ】



約束は、記者と運転手ではなく、光州の人々との約束だと気づいて涙(*ToT)

で、あの靴。。。渡すところを見たくなる。喜ぶ顔が欲しくなるけど。あれで充分…(自分に言い聞かせる笑)

ラストの本人登場。ありがちと思いきや、貴重で素晴らしい。二人が逢えないところが切なくて…ドイツ人記者の人生に思いを寄せて感涙しました。
今から38年前に韓国でこんな事件が起きてた事が信じられなかった。映画だから多少オーバーに描かれているとしても一般市民までこんなに犠牲になってたなんて!相変わらず韓国映画ならではのこれでもか、という銃撃、暴力シーンだったが最後まで目がはなせなかった。それにしても運転手仲間の人達それぞれ家族もいたのにここまでしなきゃいけなかったのだろうか?何十年後、キムさん、ピーターと再会してもよかったのに、と思った。
最初は正直、信用できない人じゃんと思った。お客さん横取りしたがために状況わからないまま光州に行くんだから自業自得って感じで。でも巻き込まれた結果、勇気を持てる自信、自分にはないな。震えながら泣いてた。

あんな壮絶なカーチェイス、今まで見たことないよ。絵面は緑のちっこいタクシーとゴツイ黒の警察の車でちょっと面白い雰囲気さえあるのに。

1980年ってすごく最近な気がする。韓国近代史を全然知らないことに罪悪感さえ覚えるわ。
それぞれが役割を果たそうとする話だった。
ドイツ人の彼は記者としてカメラを回し続けて、主人公はタクシー運転手として彼を送り届けることで事実を明るみにする。最後の検問を見逃した兵士は、韓国人としての役割に気付いていたんだと思う。

こんな映画を撮れる韓国が羨ましい。
事実に基づくフィクション。
解釈が無限にある中での表話しだと思った。鑑賞後、裏を考えてばかりいる。

彼はもっと深刻に困窮してたのではないか。良心もあったかもしれないけれど、お金が1番の理由で最後まで付き添ったのではないか。酷い惨事を目の当たりにし、1度の報道で事態は好転すると思えただろうか。連絡先を聞かれた時、また光州まで行く事があれば頼みたい意向だと勘違いし、とっさに嘘を書いてしまったのではないか。そして、あのすぐ後、または早くに亡くなってるのではないか。

全ては運転手からの証言が無い以上何とも言えないけれど、前途の可能性が自分の中では色濃くなっていった。
ただ、表の話しとして見ると、今、この時代に正義とは正気とは、ということを問ういい映画だと思います。
そういう意味でこの映画がヒットしてる韓国が羨ましい。途中出てくる地元新聞記者、今の日本でどれくらいいるのだろうかという問いも含め。
カーチェイスはいらないかもしれないけれど、あのシーンで観客が惹きつけられるのも分かるので、万人に受けるように作ったちゃんとした社会派ドラマだという所にも頭が下がります。
前情報なし、ポスターだけでほのぼの映画かと思ってあまり気乗りしないで観たから驚いた。
前半のコミカルさ(それだけ情報規制されているということ)との対比で、後半の韓国映画特有の容赦のなさがつらいし上手い。撮れ高足りてるよ!早く逃げて!と心の中でずっと焦ってしまった。カーチェイスは無くても良かったかな。無理にエンタメしなくても。どうせなら私服軍人のあいつがギリギリまで追いかけてくるとか…。(史実と違うからだめかな)
おにぎりの使い方とか見逃してくれる兵隊さんをもう一度映すのとかは良かった。
それにつけてもソンガンホの演技力。物語が進むにつれて表情が変化していく様に、私は完全に同調して観ていた。すごい俳優さんだ。

現代韓国史における最大の事件、1980年代光州事件を題材に実話をもとにした作品。

今のようにネットが普及していない時代。
戒厳令下のもと、韓国広州で何が起きているのかがあまり情報が入って来ない中、ドイツ人記者がその事実を世界に伝える為、乗り込んでいきます。その記者を乗せたタクシー運転手と共に。

一部報道されていたのは、当時の大統領が暗殺された為、学生たちがクーデターを起こし暴徒化した為、軍が制圧に乗り出しているとのこと。
しかし記者やタクシー運転手が見たのは、軍が学生や市民を容赦無く無差別に殺していた光景でした。
この事実を世界を伝えるべく怪我を負いながらも二人は決死の思いで広州から逃げ出してます。

この二人がいないと光州事件を世に知らしめることはなかったのです。


報道はいつの時代も都合のいいようにも嘘をつく。
序盤のサイドミラーが折れて「あーー!!」ってなる場面が笑った。
前半はクスクス笑いながら観てたのに、後半から全く笑えない恐ろしいことが立て続けに起こる。
歴史には疎いだけに、軍が民間人をバンバン撃ち殺す場面は観ていて信じられなかった。正直、唖然とした。
主人公の行動に胸が熱くなる映画。
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