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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のmylifeのレビュー・感想・評価

4.3
何となく気まぐれで韓国映画に触れてみようと思い「タクシー運転手」を初鑑賞してみた。監督はチャン・フン。うん、誰ですか?と聞きたいぐらいに存じあげない。

主演はソン・ガンホ。おそらく、韓国映画を初めて見始めた頃に既に有名だった俳優。今も尚、第一線なのが凄まじい。「復讐者に憐れみを」と「殺人の追憶」が特に好きな作品かな。

そういや、ソン・ガンホの他にはハン・ソッキュやソル・ギョング、チャン・ドンゴン辺りの俳優が懐かしくて急に思い出す。だからどうしたと思うが…そう感じたのだから仕方がない。

内容は相も変わらず知らないが、どうやら実話ベースみたい。1980年に起こった光州事件を描いている。ふむむ、単なるコメディよりのドラマやと思っていたが全然イメージと違った。

かなり重い展開へと遂げていく感じ。外部への報道を漏らさないよう秘密裏にしているため光州の現実を目の当たりにするキム。お金のコトしか考えていない人ではあったが住民の優しさに触れ徐々に感化され始める。

何が正しくて何が悪いのか…そんな市民に向けて銃弾を浴びせる独裁体制は決して許されるべきコトではないと感じる。

ソウルから来たキム。ドイツ人ジャーナリストのピーター。第三者から見た目線を通じ訴えかけてくるような本作の立ち位置。気軽に観ていた私を別次元の方向に引き寄せられていく。

もう、ソン・ガンホの表情が全てを物語っているかのよう。序盤から中盤…そして、後半とまるで表情が変わっていたのが流石だと感じた。光州のタクシー運転手たちには思わず感動を誘われたし。

映画から伝わる真実。約44年前に実際に起こっていたと言うリアリティ。軽い気持ちで観ていたからこそ予想外の出来事が多く、とにかく引き込まれてしまった感覚ではあったのだ。
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