パラサイト、でソン・ガンホ氏にハマってしまい、見逃していた今作を鑑賞することに。
恥ずかしながら光州事件についてはほとんど無知識で、
本当にこんなことがあったのかと目を疑うレベルだった。
タクシー運転手のカッコよさとジャーナリストの使命感がひしひしと伝わる。
いちばんグッとくるシーンはふたつ。
一つは運転手がソウルへ帰る前に立ち寄った食堂のシーン。
そもそも、麺をだまになりながらすするソン・ガンホがめちゃくちゃかわいいのだが、
手にしたおにぎりで、光州の人たちを思い出し、記者を助けに戻ることを決意するのだ。
光州で地元の女性から手渡されたおにぎりを思い出し、涙がにじむ。言葉数は少なくても、葛藤がひしひしと伝わる。
もう一つはクライマックス、光州のタクシードライバーが助けに駆けつけるシーン。
タクシー運転手ってかっこいいと思わせる素晴らしいシーン。
命を投げ打ってまで記者に希望を託す彼らの姿に、胸が打たれる。
私を含め、この史実はあまり知られていない。
今の世の中は、先人たちが戦った礎のもとに成り立っているのだと改めて考えさせられる映画だ。