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君の膵臓をたべたいのodyssのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2018年製作の映画)
2.7
【柳の下にドジョウは二匹はいない】

実写映画でヒットした作品をアニメ化したものです。
私は実写版も見ていますが、このアニメ版を鑑賞しても、なぜわざわざアニメ化したのか分かりませんでした。

柳の下のドジョウ、でしょうか。
でも、実写版がヒットしたのだから、基本的な筋書は分かっちゃっているんですよね。

それでもアニメ版を作るとなれば、それなりの理由がなければならない。
ところが、このアニメ版を見ても、コンセプトがよく分からないんです。

実写版の特徴とは何か? それは生身の俳優が演じること。つまり、原作や脚本がどうあれ、演じる俳優の個性によって作品の出来が左右されるわけです。

この作品の実写版では、北村匠海くんと浜辺美波さんの両主演が魅力的でした。
ヒットしたのは、単に筋書だけの魅力ではなく、キャスティングが大きく影響していたのです。

でも、このアニメ版ではどうか。アニメは、その絵を描く人間の個性と主張がそれなりに出ていなければ魅力的な作品にはなりません。

しかるに、このアニメ版『君の膵臓をたべたい』は、その点でまったくナッテナイのです。きわめて凡庸な絵柄でしかない。
つまり、なぜわざわざアニメ化したのか、分からないと言うしかありません。

「柳の下」でしかない、と批判されも仕方がないのではないでしょうか。
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