原作 読まず 実写観ず 内容も知らず
流行りやミーハー感まるでなく今更の鑑賞
よかった。
最近の劇場アニメが時間制約や作り手側の演出優先の為にか
雑になり観に行くのが躊躇するようになっていたが
これは余計なものもなく、まっすぐで
丁寧で素晴らしく感動させられた。
他の劇場アニメ作品が陥るお約束の
心理描写が流れておらずシーン都合の為に見える点や
取ってつけたような雰囲気重視
映画の流れのための不自然な行動や
作り手の気持ちよがりのようなセリフの連続に
辟易していた自分には作り手、特に監督の真摯さを感じた。
細田作品 オオカミやバケモノ
他では聲の形の無理やり詰め込み感に 役への思いやりのなさ
心が叫び〜の場所の構造に不自然な距離 役の心の扱いに
嫌悪感を感じた人にはかなり響く作品になっていると思う。
予告を見た時点では絵の動きや
演出のレベルも分からなかったが
動画的に髪や布、人物の動きも本当に丁寧で
内容も、ごまかせないくらい身近でリアルさを孕み
鑑賞ターゲットが全く高校生たち向けではないと思った。
（大人が無理なく耐えられる作り）
売り上げはその辺のズレもあってか「君の名」等の足元にも及ばないが
（今作にセカチュー等のあの あざとい感じはない）
それらより断然よかった。
映画には泣きに行くつもりもないが
実写のようにリアルにこちらへ滲んで入り込み自然な涙を流させた。
予告でのsumikaの主題歌と映像が重なったあの雰囲気がなかったら
観に行くことはなかったが本当に正解だった。
大人が高校生の頃に戻りたいと思わせてくれる映画でした。
アニメだから っていう言い訳がなく
監督さんは 表現の欲や 制約など
いろんなものと戦ったんだと思う。
流行りのイメージの強い原作ものに
合わせず よく抑えた！
物作りしてるものへの立派なアドバイスになるはず。
アニメではなく表現媒体は違うものの
同じ作り手として安心させられる優しいエールをもらった気がした。
全く知らない監督ですが すごく立派な仕事をしたと思う！！
