デニロ

ハード・コアのデニロのレビュー・感想・評価

ハード・コア(2018年製作の映画)
4.0
脱力系の喜劇なのかと思った。ここ数年の山下敦弘監督作品を踏襲しているのかと。

でも、唐突にロボオが現れて物語が…、はじまらない。

わたしが思っている左翼は、マルクス・レーニン主義者であるけれど、右翼というのがよく分からない。天皇を中心とする神の国を奉ずる者、岸信介の流れをくむ自民党本流、吉田茂の流れをくむ保守本流、街宣車に乗っている人等々よく分からない。主人公はその正体不明の右翼団体の構成員となっている。とはいっても総人数がせいぜい5人。会頭、謎の大幹部、山田孝之、荒川良々、ほか。この謎の大幹部康すおんは月15万円で女を囲っているような素振り。家では毎日サントリーウィスキー知多を浴びるほど飲んだり、家呑みに飽きればカラオケに繰り出す。右翼は金がないはずなのにな。極道右翼か・・・。キャベツばかり食べていたマルクス主義○○同盟の同級生どうしているだろう。

いや、左右の政治勢力の革命の話じゃなかった。

物語はロボオの謎とお金を巡るサスペンスと爛れた愛欲に分散し、もはや一点突破全面展開。

山田孝之といい荒川良々といい爆発的な演技をしてしまっているし、康すおんのうさん臭さは絶品。つられて佐藤健が厭世的な偽悪者をマジに演じている。彼らの演技には魅了される。松たか子も謎だけど。

ストーリーよりも演技にあてられてしまった。

あ、ロボオが火を噴いた際には思わず声を上げましたよ。
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