複製世界、というお題を中学生マインドたっぷりの盆暗に与えたならきっと皆一様に、それこそ複製したみたいに同じ内容の物語を書き上げるだろうと思うんですよ。
詰まり物語なぞは二の次、表現方法をこそ楽しむ作りなのかしら、でもそれってもう疾うの昔に手垢塗れになっちゃっていて映画でやっても新鮮味も面白さも感じさせてくんないよね一っ欠片も、と思い退屈しながら観ていましたところ。
主人公の走馬燈的な回想シーンが三人称視点で描かれるという本末転倒な逆転現象が起こっておりまして、この突っ込みどころを再現する為の本作は壮大な仕掛けだったのであればこれはもう作者のアイデアに100億点差し上げる。