カホ

花筐/HANAGATAMIのカホのレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
3.9
とんでもない、ものをみた。

紙芝居、のような左から右のスクロール。不気味で、カラフルで、白黒で。赤い血。紫とオレンジと赤の空。小さな教室。一面のステンドグラス。海の見える家。満月と窓と裸体。
大袈裟なわざとらしい演技、世界観に入ったら気にならなくなるの、すごい。意味があるのかないのかわからない細かいカット。俳優のセリフに合わせてアップになるカメラ。反転。回転。加工。
とんでもない映像作品。

犬と他の生き物の違いって何?
「腹が減ったら食うだろ。」
死んでいい命と死んじゃいけない命、その命に違いはある?

若者は質問する。「命を大切にするとはどういうことでしょうか。」「なんの役に立てるんだろう、わたしの命。」
年老いたおじいさんは、こう説く。「我が日本帝国では、国民の命は国家の命。」

戦争の時代を生きる学生たち。
あいつが美しいのは孤独だから。
「具合悪いの?」
「僕、非国民なんかじゃないやい」
病気でいることは非国民。な時代。
戦争に行きたくなくて、醤油を一升飲んだ人もいた。
パーテーしましょ。ダンスパーテー。
殺されないぞ、戦争なんかに。
紛れもない、生の象徴。性の象徴。
日本は負けた。そして平和が訪れた。
どうして若者の命が奪われなければいけなかったのか。戦争に青春を奪われた人は沢山いる。

いけませんわ。
戦争なんて。
カホ

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