ヤマニシ

花筐/HANAGATAMIのヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

 反戦映画なのはわかるが、イマイチ戦争そのものを示す描写が少ないせいか終盤まで戦争の存在が抽象的。もっと具体的に身内に被害が生じてる描写とか増やして身近なものに感じさせれば説得力も増したかなと思う。ないではなかったが全体の尺に比べて淡泊ではあったし、それ以外の浮世離れした描写が多くを占めるので反戦のメッセージは今一つ伝わりづらい。
 演出は監督の癖が前面に出てて良い。特殊効果は画面に馴染ませて違和感が出ないようにするのが普通だと思ってたけど、背景が合成だったり、桜や雪が舞い散る様子が浮いてたりと実写部分と乖離している。画面転換もいやに頻繁で、意味もなく左右反転したりとかなり忙しない。だけどそういった演出もチープさはあるものの音楽に合わせて画面を動かしたりビビットな色彩にしたりと視覚的に楽しいのでマイナスにはならない。ただ、そういった演出も終盤まで続くので若干飽きてくるところもあったので、ストーリー部分も会わせてもう少しコンパクトになればよかったなと思う。あとセリフは矢継ぎ早に言うんじゃなくてもう少し間を持たせてほしい。
 主演の人はいやにオーバーな演技だったけど、主人公以外は暗いヤツが多いのであれくらいやらないと陰鬱な雰囲気になりそうなのでよかったと思う。主人公の設定を考えればあれくらいの演技がちょうどいいか。ただ、ティモンディを思い出してしまったが。
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