みっちー

カランコエの花のみっちーのネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

学校の人権学習で鑑賞。

鑑賞する前にあらすじを聞いていたので、この映画を見た生徒が「LGBT」について素直に受け入れてくれるのかという不安があった。しかし、映画を見た生徒の感想文には、前向きな言葉が多く、「自分らしく」生きることの大切さを実感してくれていて、僕の懸念も杞憂に終わって良かった。

「LGBT」という言葉を広めることと、その理解を広めることはまったくの別物である。

保健室での恋バナは、わざわざ問題提起するものではない。
桜の楽しげな口調からは、「LGBTの悩み」を訴えるよりも先に「恋の楽しさ」があふれ出ている。
それをことさらに取り上げるというのは、花絵が「恋に性別は関係ない」とは思っていないからだらう。

月乃が「桜はレズビアンじゃない」と言い黒板の文字を消すシーンが印象的だった。
勇気を振り絞って「カミングアウト」した桜のアイデンティティを無自覚に否定してしまっている。

39分という尺には教育現場で使って欲しいという意図を感じた。
生徒だけでなく僕たち教員も、日々の言動に気をつけ、多様な人々が適切な人間関係を築いていく方法を学んでいかなければと思った。

今作を通して、LGBTの理解が広まり、不用意な発言や「アウティング」が減ることを願っています。
みっちー

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