Hoshiduru

カランコエの花のHoshiduruのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.0
沢山の場合分けをしながらあの教室に自分を置いてみて、どの場合でも、たまらなくしんどいなぁと思うし、しんどいのに休むことができないあの空間が、余計にたまらなくしんどくなった。休む権利を獲得するには、ああするしかないよな。

大前提として間違っていたのは、授業を行った理由が、「この教室にLGBTがいる、と”知った”からじゃないか?」という事が、無視されている事だと思う。他のクラスには居ないって誰も言ってないし、分かるわけがない。

「自分は当事者です」と誰にも言わないなら彼らは存在しないし、そう言った1人が見つかればあとはもうみんなマジョリティだと、その大前提が叫んでいる気がして、だから私は最大の過ちの責任を教師に与えたくなるよ。

私が置いた場合分けで一番怖いのは、私があの教室内で、誰にもカミングアウトしていない当事者の時だなと思う。あの騒ぎを見て、なんで余計な事をしてくれたんだと教師に憤るし、誰かが教師にカミングアウトしたならその人にもきっとムカつくし、そしてやっぱり社会が怖いなと思うだろうな。

こういうの見てると、何が間違いかはいつも分かるんだけど、じゃあ何が正解か、は誰も教えてくれなくて、だから人生の中でこれの細切れが起こるたびに、私は毎回、誰かを傷つけてしまうし、誰かを守るために、自分を傷つけてしまうんだなとも思う。
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