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デイアンドナイトのmanamiのレビュー・感想・評価

デイアンドナイト(2019年製作の映画)
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プロデュースは山田孝之、監督は藤井道人、脚本には二人とも名を連ねる。
露悪的かつ悪趣味な展開の隙間に、瑞々しい瞬間も確かに存在していて、そのうえ清原果耶の求心力もかなり強くて、目が離せなくなる。
「何があったのか」と並行して「どうしてそうなったのか」が解き明かされていく。社会的な正義と、自分にとっての善、その狭間で。溺れる者は何を掴むのか。
明石は完全に巻き込まれる形で「夜の仕事」を始めることになり、少なからず葛藤を抱えたまま、「風車の家」に関わっていく。しかし能動的に動き始めたことをきっかけに、「風向き」が変わっていく。
北村は本当に子どもたちのことを大切に想っていたのかな。自分の行いが露呈したら一番困るのは子どもたちなのに。純粋に「目的と手段」だったのだろう、最初はきっと。それがいつしか「理由と目的」もっと言えば「言い訳と目的」になってしまっているように見える。
初っ端のドアップと、明石が二重生活のどちらにも馴染んでいく過程をMV風に見せるくだりは好きではない。もっと素直な表現の方が、この話には合っているのではないか。
それにしても奈々の進路面談での担任、イラっとくるわ〜。登場人物中、一番の悪はあの教師でしょ。家族や周りの人を守るためでなく、自分のことしか考えてないんだから。それがつまり、「善と悪はどこからやってくるのか」に繋がるのかもしれないな。

82
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