セッセエリボー

馬を放つのセッセエリボーのレビュー・感想・評価

馬を放つ(2017年製作の映画)
4.1
面白い面白くない、以前に撮り方が馬い。きっといつの日か、キルギスという国が世界の誰にとっても身近な国になったとき、この映画は歴史的傑作として必見のものになるだろう。そういう意味では今のうちに見といてよかった。まあそんな日が来る前に寿命が来るか。
俺もキルギスの文化風俗については知識ほぼゼロなので、いかにも意味ありげな幾つかのシーンがよくわからなかったのが悔しい。わかってて見れば「おおぉ…!」みたいになっただろうに。話としては、いろんなものが入り込んできて遊牧民としてのソウルが失われてしまったことに心を痛めるおじさん=監督自身が、民族の象徴である馬と自身のルーツである映像とを重ね合わせつつ再びそれらを解き放とうとする映画。実に確かな技術と、普段お目にかからない結構土俗の残ったキルギス文化とに触れられる貴重きわまる機会なのでぜひお見逃しなく!いやあ面白い国だ。