せんきち

ネットワークのせんきちのレビュー・感想・評価

ネットワーク(1976年製作の映画)
4.0


午前10時の映画祭にて、傑作。


落ち目のニュースキャスターハワード(ピーター・フィンチ)は生放送で自殺予告をしてしまう。後日釈明の放送てハワードは世の中への不正義を告白してしまう。解雇かと思いきや視聴率が上がりプロデューサーのダイアナ(フェイ・ダナウェイ)によってニュースバラエティの主役に抜擢される。既に発狂しかかっているハワードはテレビのオモチャにされていく。

1976年の作品にして驚くほど正確に未来を予見している。


発狂したハワードは客席に向かって問う「いま、本を読む人は3%、新聞を読む人は13%だ。あなた達にとってテレビは全てだ。福音なのだ!」

この大衆蔑視極まる発言に拍手する観客達。もはやニュースに事実など必要なくセンセーショナルで扇動的なコメントだけあればいい。

つい最近、兵庫県知事選でNHK党の立花が同種のことを話していた。余りにも恐ろしい事実。


本作ではダイアナがNHK党の立花の役割を果たす。テレビ預言者にされたハワードは被害者であって真の怪物はそれを企画したダイアナなのだ。『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』のジョーカーとリーの関係性に近い。

メッセージ性と政治性の塊の様な映画。偶然だと思うが、広告業界の欺瞞を描いた『巨人と玩具』(増村保造!)に非常によく似ている。


狂った広告代理店営業マン高松英郎と本作のフェイ・ダナウェイが被る。いや、凄え映画!
せんきち

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