あくとる

モリーズ・ゲームのあくとるのレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
4.5
天才脚本家アーロン・ソーキンの初監督作品ということでずっと楽しみにしていた"モリーズ・ゲーム"。
Filmarks試写会にて一足早く見てきました。

期待を遥かに超える傑作でした!
まさにこれが見たかったんだよ!
アーロン・ソーキン!

逮捕後の"現在"とカジノの創業から終焉までの"過去"を行き来しながらモリーという人間を魅力的に描き、異常な饒舌とテンポの良さで駆け抜けるグルーヴィーな140分。
予想外だったのはたっぷり込められたユーモアとリアル(風)なニュースの映像がテンポよく差し込まれる編集。
試写会場が何度も笑いにつつまれていました。
"ソーシャルネットワーク×マネー・ショート"のようかなと。

強いてダメな点を挙げると、「映画的なかっこいい画に欠ける(少しテレビっぽい)」のと「音楽かけ過ぎ(ノリ良くていいんだけどメリハリがない)」の二点。
正直、監督としてのアーロンソーキンの手腕はそんなに優れてはいないと感じた。

すべての始まりは"小枝につまずいた"という不運。
しかし、気づいたときには抜け出せない沼にはまっていた。
"自分を認識することは難しく、把握できる事実は耐え難い。"(うろ覚え)

なぜモリーはカジノに執着したのか。
大金に狂うカジノの客たち。
厳格な父親と優秀な家族。
浮かび上がるモリーの孤独。