オトマイム

モリーズ・ゲームのオトマイムのレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
3.9
あっという間の140分。視覚も頭も休んでいられない。以下良かったポイントをまとめてみました

①畳みかけるような会話・ナレーション。歯切れのよい英語のスピード感が耳に心地よく、ハイテンポな展開と一体化して話に滑らかに入り込める。

②アルバイトから足を踏み入れたポーカー賭博の世界にビジネスチャンスを見出し、のし上がっていくモリーの快進撃は痛快。チャンス到来の機を逃さずサッと自前のポーカールームを開く手際の良さなんて痺れる!

③ポーカーゲームの面白さを存分に味わえる。ルーレットなどと違ってポーカーはスキルと経験値が大切、相手を洞察してブラフ(はったり)をかけるなどの心理戦要素も大きい。この駆け引きについ前のめりに…

④ギャンブル中毒に侵されていく人間の脆さが生々しく描かれる。ここがいちばん私には興味深かった。
勝負ごとは勝った時の嬉しさよりも負けた時の悔しさが中毒の種となるのだ。しかも選ばれしセレブ専用・賭け金も法外なルームならば尚更、ドーパミンの放出量も破格というもの。ずぶの素人だったモリーがギャンブラーたちの心理を巧みに利用していくカンの鋭さには恐れ入る。


♢ ♤ ♡ ♧


冒頭で示されるようにモリーは結局足もとをすくわれ破綻する。しかし彼女は顧客名簿を明かしたり売名行為をしたりすることはなかった。そんな彼女の人間的な魅力の掘り下げ方がやや甘かったのは惜しい…ただし弁護士と父親がエモーショナルな部分を担当してなかなかのバランス。

脚本のしっかりしたテンポ良い作品をみたい時におススメです♪

試写会にて